COP30国連気候会議:自然を中心に据えたアプローチを
ブラジルのベレンで、テーマ「Global Mutirão(世界的な共同作業)」のもと、2週間にわたり国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が開催されました。BirdLife International(以下BirdLife)英国本部およびパートナー団体から、政策専門家、気候変動や生物多様性損失などの社会課題解決に取組む実務者など参加しました。
BirdLifeは、化石燃料の段階的廃止、気候変動対策において自然が果たす役割の正式な認識、そして公正かつ迅速な再生可能エネルギーへの転換を求めて交渉に臨みました。しかし、現行の気候計画(国別削減目標:NDC)によれば、世界は依然として2.5°Cの気温上昇軌道にあり、1.5°C以内に抑えるには行動強化が不可欠です。
BirdLifeによる長年の働きかけの成果として、多くの政府が、リオ条約の原則の中で、気候変動対策、生物多様性保全、土地利用(森林・農業・都市計画など)を連携させて進める方針に賛同しました。一部の国の継続的な反対により、合意文章は弱い表現にとどまりましたが、以下のような重要な成果が得られました。
・「グローバル・ムチラオ決定(Mutirão Cover Decision)」の採択
・「ベレン適応指標」の決定
・「熱帯林永続基金Tropical Forest Forever Facility」の創設
・2035年までに適応資金を3倍に拡大する努力を促す
一方で、森林破壊の停止や化石燃料廃止に向けた行動計画が正式決定に含まれなかったことは非常に残念な結果となりました。
BirdLifeのパートナー団体は、すでに行動を開始しており、解決策に向けた資金動員、自然に配慮した再生可能エネルギーの推進、自然のために行動する地域社会を支援しており、世界中に仲間が増えています。
国連設立から80年、パリ協定採択から10年が経過した今、COP30では、解決の鍵は多国間協調であることを改めて示しました。人と自然の未来のために、国際協力の仕組みを刷新し、世界が一丸となって課題解決に取組む必要があります。
BirdLife International CEO Martin Harperによるコメント
原文
Nature at the Heart of UN Climate Conference COP30 – BirdLife International
(本文を一部編集しました)


