情報のギャップを埋める:鳥に関するデータがどのように国別生物多様性ターゲットを定め、達成し、追跡する助けをするか

国家生物多様性戦略および行動計画(NBSAP)の創作に政府を助けることがこの新しいガイドを作った目的です。

現在インドのハイデラバードで行われているCBD(生物多様性条約)COP-11に合わせて、バードライフ・インターナショナルは、生物の中で最も知られている綱である鳥類のデータを用いて、‘国家生物多様性戦略および行動計画(NBSAP)’作成に当たって政府を助けるためにガイドブックを発行しました。

 2010年に開催された前回のCOPで世界中の政府のほぼすべてを含む締約国は2011-2020生物多様性戦略計画を採択しました。これは‘20愛知ターゲット’(同ターゲットには20の目標がある)を含む‘自然と調和して生きる’というビジョンを達成するための総合的な枠組みを提供しています。

戦略計画が世界的に成功するためには個々のCBD締約国が国家レベルでこの計画を実施しなければなりません。これを進めるメカニズムが、国別の必要条件と環境を考慮に入れた国ごとの保護ターゲットとその達成度を測る指標を定めるNBSAPです。

しかし多くの国にとってNBSAPを作るのは、効率的に計画を立てるのに必要な情報が不完全なために、容易ではありません。‘国家生物多様性戦略と行動計画の作成と実行: どのように愛知ターゲットを定め、達成し、追跡するか’の中で、バードライフはどのように鳥に関するデータが、各国が‘20愛知ターゲット’のうちの18項目を定め、追跡するために必要な情報を提供できるかを説明しています。

 鳥類は他の生物のグループに比べてよく知られています。環境の変化に敏感で、比較的モニターがしやすいことから、鳥のデータに基づく指標は生物多様性の危機に取り組む際に進展度を調べるのにとても有効です。

IUCNの鳥類についてのレッド・リストの機関として、バードライフは、世界の鳥データベースを通して、世界の鳥のほぼすべての種についての保護の現状、直面している脅威、現状を改善するのに必要な行動、保護を要する危険な状態にあるサイトおよびこれらのサイトがどの程度保護地域ネットワークでカバーされているかなどに関する膨大な情報を持っています。レッドリスト・インデックスを通して、バードライフは絶滅リスクの世界的傾向、外来種の影響、人が利用したり、受粉のように生態系サービスを提供する鳥など、一連の種の保護状態の変化などもモニターしています。

バードライフが作成した小冊子は、国レベルでのターゲットの設定、これらのターゲットを達成するための活動を集中すること、そしてその進展のためのデータの提供など、鳥のデータを利用することによる実例を提供します。

たとえば愛知ターゲット第14項(生態系および重要サービスの保全): 鳥は受粉の役割(少なくとも50種の農作物と薬用植物が鳥による受粉に依存している)、有害生物防除(昆虫とげっ歯類)および種(たね)の散布などにより、生態系サービスの重要な提供者です。そのような種の状況を追跡することは生態系サービスの提供をモニターする助けとなります。IBA(重要生息環境)で生態系サービスの提供状態をモニターすることで、このターゲットに対する進展度を測定するために利用することも出来ます(バードライフはサイトでの生態系サービスを測定する‘ツールキット’を開発しました)。

この小冊子、豊富なデータおよび例がオンラインで入手することにより、バードライフは、政府、企業その他の組織に対して生物多様性ターゲットを達成するための優先順位を設定し、成功度を追跡するツールを提供しています。

報告者:Melanie Heath

 

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