サンタルジア島:野良猫が海鳥に脅威を与えている
この夏ポルトガル野鳥研究協会(SPEA: ポルトガルのパートナー)が大西洋にあるカーボ・ベルデ共和国のサンタルジア島に生息する野良猫の習性と分布の調査を行いました(野良猫とは飼い猫の子孫が野生化したもの)。この調査は島の生態系の利益のために野良猫をサンタルジア島から駆除するために提案されたプロジェクトの一環です。野良猫は島の海鳥の個体群に対する脅威なのです。
サンタルジア島は1990年に自然保護区に指定された広さ3,500ヘクタールの、西カーボベルデ諸島に属する小さな無人島です。現在島を訪れるのは近くのサンビセンテ島の漁師か研究者だけです。
地元からの報告によれば、ネコがサンタルジア島に持ち込まれたのは20世紀の後半です。SPEAと、野良猫のモニタリングと調査が専門の地元の団体Biosfera-Iの代表が協力して15日間野良猫を捕獲するため特にその活動が活発な場所に罠を掛けました。捕獲後、野良猫には一匹ずつ麻酔をかけGPSタグを装着しました。15日間の最終日に6匹の野良猫が捕獲されました。それ以来、Biosfera-Iの技術者はネコを再捕獲しGPSタグの回収に努めています。これらのデータは島の野良猫が餌を取ったり、集まったり、休む主な場所を示し、将来野良猫を完全に駆除することを可能にしてくれるでしょう。
この調査の期間中に海鳥の営巣地を探して島の崖を調査しました。サンタルジア島では海鳥のコロニーの登録がなく、情報がありません。驚いたことに、調査を始めて十日後に抱卵しているクロコシジロウミツバメの成鳥の最初の巣が見つかりました。他の穴ではたくさんの兆候が見つかりましたが、一つも巣は発見されませんでした。残念ながら、クロコシジロウミツバメの羽毛、翼、骨などが別の場所で見つかりました。この調査は技術者が10平方メートルのサイト内におよそ130の翼を見つけ、これがネコによる徹底的な捕食による明白な印であることが分かった時、一層気掛かりなものになりました。この事実はサンタルジア島からネコを駆除する活動が直ちに必要であることを強めるものです。