‘世界湿地の日’にあたり、水について考えてみよう

今日2月2日(土)は‘世界湿地の日’です。私たち全員が湿地が人々の生命を支え、生計を助ける重要な役割を果たしていることに少しの時間でも考えるべき日です。

今年のテーマは‘湿地と水の管理’です。平たく言えば‘湿地が水を守っている’ということです。湿地はスポンジのように、水が溢れるような時にはこれを吸収し、気候が乾燥した時のために水を溜めておきます。ですから湿地は数百万人の人々の命を支える完璧な自然の洪水防止装置であり又貯水池なのです。湿地の賢明な利用は持続可能な水管理を実現するための重要な要素です。

‘世界湿地の日’は1971年2月2日にイランの都市ラムサールで国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)が締結されたことを記念して定められました。同条約は世界中で湿地をどのように評価し、管理し、保全するかということに関して大きな前向きの影響を与えました。

バードライフ・パートナーシップは同条約の国際パートナー団体の一つとしてこの条約を支える活動を行っていることに誇りを持っています。

湿地はこの写真が示すようにパピルスを編むルワンダのニャバロンゴの女性に持続可能な生計手段を与えます。

写真提供:David Thomas

「ラムサール条約は湿地の保全に関して中心的な役割を果たしてきました。」とバードライフの科学・政策部長のレオン・ベナン博士は言いました。「ラムサール条約のお陰で水、野生生物、生計手段および炭素の貯蔵における湿地の重要性が次第に広く理解されるようになりました。しかし、まだやらねばならないことはたくさんあり、その意味で‘世界湿地の日’は地球上のすべての生命のために私たちが湿地の重要性に力を注ぐことを助けてくれます。」

ラムサール条約40周年を記念してのカンボジアでのマングローブ植林

写真提供:Bou Vorsak; BirdLife International – Cambodia Programme.

湿地はあらゆる面から人々と野生生物に利益をもたらします。ルワンダのバードライフ・パートナーのACNRはニャバロンゴ湿地IBA(重要生息環境)の保全を行い、それにより生計手段を湿地に依存している地元住民に利益をもたらしました。湿地に生えるパピルスはこれを編んでバスケットや天井パネルなどの手工芸品を作る地元の女性たちに持続可能な所得の元となっています。

フィールド調査から訓練、水資源計画からサイト管理まで世界中のバードライフ・パートナーが湿地のために活動を行っています。「バードライフは特に湿地の保全とその賢明な利用を促す活動を進めています。既に‘国際的に重要な湿地リスト’に掲載されている湿地だけでなく、ラムサール・サイトに登録される資格のあるその他多くのIBAを活動の対象にしています。」とベナン博士は言いました。

国際的に見て重要な湿地の多くがまだラムサール・サイトとしての指定が行われていません。バードライフのIBAプログラムとラムサール条約の活動には密接な重複関係があります。国レベルでは多くのバードライフ・パートナーが当該国政府との間でラムサールの基準に合う湿地性IBAを指定湿地になるように進めています。

報告者:Shaun Hurrell

 

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