ネパール東部の女性たちがお手本に

By Nick Langley

日中のきつい仕事と夕方の家々を訪れるキャンペーンにより、Dumrithumka Adarsh Mahilaコミュニティ森林利用者グループの委員会を構成する11人の女性(2017年度バードライフ「自然のヒーロー」)が、依存している森林に対するコミュニティの意識を変えました。

Dumrithumka Adarsh Mahilaという名称はおおよそ「Dumrithumkaの規範となる女性」という意味です。彼女たちがもたらした健康と生活水準の改善は、近隣の村が彼女たちをお手本にする動機になっています。同時に、彼女たちが管理する森林環境の質の変革により、ネパール野鳥の会(BCN)は彼女たちをバードライフの「自然のヒーロー」と考えるようになりました。

「自然保護、良好な管理および持続可能な地元の生計の開発を統合することに関して言えば、ネパールのコミュニティの林業プログラムは世界のサクセスストーリーの一つと考えられます。」と、BCNのKriti Nepalは言っています。

ネパールの森林は州が所有しており、監視や管理の能力が不十分なことが多いために、資源の過剰利用につながっています。「コミュニティ森林利用者グループ(CFUG)」は、地元住民が森林を管理する能力を強化するために導入され、多くのコミュニティの生計手段の鍵となるものです。森林は彼らに食糧、燃料、建築材料、薬品を提供します。

ネパールのCFUGが管理しているエリアの人工衛星画像は、樹木被覆の復元が堅調に行われていることを示します。伸びた葉の樹冠、木の根、下生えの下で土壌をしっかりと掴んでおり、裸で不安定な丘の斜面、浸食、土砂崩れなどが減っています。再び豊かな植生で覆われた川の土手は下部の流失や崩壊の恐れが減っています。

森林利用者グループのコミュニティの家の内部では、空気も綺麗になっています。改善された料理用の窯は煙を90%も減らし、呼吸器疾患で苦しむ人を減らしました。このような窯の使用は、薪の需要を50%以上削減しました。これは同時に丘陵地を緑に保つことになり、女性が燃料を集める時間を少なくし、野菜の栽培や森からの非木材商品の販売などの生計維持活動により多くの時間をさけることを意味します。

文化的及び経済的な両方の理由で、ネパールのコミュニティ森林利用者グループの幾つかは女性により設立され主導されています。ネパールでは伝統的に女性が燃料集めや家畜の飼育などの家事を担い、男性は海外で働く傾向にあります(国内で収入を得る機会は限られており、インドなどでの労働による送金がネパールのGDPのほぼ4分の1になっています)。

1998年に設立されたDAMCFUGは、2014年1月から2016年12月までの間、ネパール野鳥の会(BCN)とICIMODによる支援を受けたHIMALICAプログラムの受益者でした。BCNの指導の下、グループの執行委員会は過剰放牧の制限、森林への植樹、改良型料理窯の設置、家庭菜園の促進などの活動実施を見守って来ました。

雑草刈りと苗の植樹を行う村人たち

このプログラムが行われる以前は、コミュニティは土砂崩れや洪水などの予防可能な災害による土地や資源の喪失と破壊に直面していました。過剰放牧の制限を含む持続可能な土地利用と管理は、植生被覆と基本構造の増加につながり、浸食から守り、土壌固めにより安定性が増しました。川の近くにおける植林は、土手の浸食を減らしました。

樹木や草木の中でも女性たちは、Khayar(和名不詳:落葉性で棘のある木)、ベルノキ(ミカン科)、アムラ(トウダイグサ科)、サラノキ(沙羅双樹:フタバガキ科)などの食料や、樹皮や葉が薬になる文化的な価値を持つものや、世界的に危惧されているインディアンローズウッド(本紫檀)など違法伐採に狙われる樹木を守る手助けをしています。森にはセンザンコウやヒョウなどの哺乳動物も生息しています。

「人々の多くは毎日の生計を森林に依存しており、森の劣化による資源不足に直面しています。」とKriti Nepalは言っています。

「DAMCFUGは、コミュニティ内での生物多様性と生態系サービスの重要性に関する戸別の啓発活動を組織化し、長期にわたる森林保護の成功で重要な役割を果たしました。コミュニティのメンバーは、生態系サービスの保全と森林管理の訓練を受けました。このことはコミュニティ全体が自然資源をより効率的かつ持続可能な利用できるようにし、州当局の助力への依存を最小化しました。

バードライフの‘自然のヒーロー’賞は地元で顕著な保護活動を行ったコミュニティ・グループと個人ボランティアに贈られます。
毎年、バードライフ・パートナーはIBAのモニタリング、サイト管理、市民科学、コミュニティと一般大衆の参加、サイトと種の保全へのその他の貢献を達成した3人(または3団体)を‘自然のヒーロー’に推薦することが出来ます。

家庭菜園の促進は、コミュニティのメンバーの所得増加と森林資源への依存度低下を助けました。タケやホウキグサなどの非木材の森林産品の植樹と再生は、コミュニティに追加の所得をもたらしただけでなく、土壌浸食に対する補強を生みました。

公正で持続可能な利益配分を行うことにより、DAMCFUGは不平等の削減にも大きな貢献を果たしました。BCNによる啓発研修により、彼らのイニシアティブは異なる背景や文化を持つ人々を含むすべてのコミュニティのメンバーに、資源への同等のアクセス権を与えました。彼らはコミュニティにマイノリティーや疎外された人々の権利に敏感になるような公共教育を行い、そのような人々も森林の利用と管理の全ての局面に参加するよう促しています。

「このイニシアティブは、貧困者や弱者を加えることにより彼らを力づけました。」とICIMODの自然資源アナリストのKamal Aryalは言っています。

生態系の保全と管理は、気候変動の緩和のための高い費用対効果メカニズムも提供しました。コミュニティの生命維持に不可欠な生態系サービスを強化し、保全することは彼らが気候変動に適応する助けとなるでしょう。

近隣の二つのコミュニティの森林利用者グループも、自分たちの森林の長期的保全の観点からDAMCFUGのモデルに合わせています。「自然のヒーロー」賞に加えて、DAMCFUGの女性たちは2016年の「世界環境の日」にネパール政府からも表彰されました。森林・土壌保全省のAgni Sapkota大臣は、DAMCFUGの会長Mrs Kumari Alleに感謝状と25,000ネパール・ルピーを贈呈しました。

 

報告者: Nick Langley

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