地中海の生物多様性保全に世界が注目

シュコダル湖
写真提供: © Jaime Rojo

地中海地域の種、サイトおよび保全活動の問題点について、国連クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)による新たな取り組みによって、この数か月で審査が行われます。

この地域に生息する全ての種のデータが大幅に更新され、地中海地域の全ての利害関係者に‘Ecosystem Profile(生態系プロフィール)’の更新作業への参加が呼びかけられています。

‘Ecosystem Profile(生態系プロフィール)’は社会経済問題を含め、地域の保全状態、生物多様性に対する脅威および動植物全ての既存データをまとめた膨大な文書です。今回更新される内容はCEPFの2017年第2投資フェーズにおける投資戦略を策定するのに利用されます。

その作業工程はバードライフと以下のパートナーの共同組織で進められます: IUCN(国際自然保護連合)、Tour du Valat(フランスの自然ツアー会社)、Conservatoire du Littoral(フランス政府の海岸などを保全するための機関)および3つのバードライフ・パートナー(SEOスペイン、DOPPSスロべニア、AAOチュニジア)。データの更新はMAVA基金(スイスに本部を置く自然保護基金)、モナコ王子アルベルトⅡ世基金およびCEPFの資金支援を受けて実施しています。

地中海沿岸地方は世界で2番目に大きな生物多様性ホットスポットです。その広さは2百万平方キロにおよび、東西はポルトガルからヨルダンまで、南北はカーボベルデ共和国(大西洋の島国)からイタリアに及びます。提供された助成金は地中海沿岸地方の世界的な絶滅危惧種と危機的な生態系の保全に役立てられます。

CEPFによる地中海沿岸地方ホットスポットへの資金投資は2010~2011年の最初の‘Ecosystem Profile’の制作に始まり、続いて2012年にはプロジェクトへの資金提供が始まりました。バードライフはCEPFの地域活動実行チームに任命され、保護活動の計画立案、実施、成功事例の提示などの支援を行っています。

CEPF 2012年~2016年の結果:

  • 総額10.5百万米ドルの投資
  • 106のプロジェクトに対する助成金提供
  • 93の受益者(助成金受託者および2次受託者)(そのうち72団体あるいは77%は全国的組織)
  • 14カ所の保護区の新設
  • 132の地域社会がプロジェクトの恩恵を受けた
  • IUCNのレッドリストに掲載されているオサガメ、ハイイロペリカン、バーバリーマカク(サルの1種)を含む絶滅危惧種14種が直接的な恩恵を受けた

地中海生物多様性ホットスポットについて詳しくはこちら

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今回更新された‘Ecosystem Profile’は今後の保全活動への資金投入先を定める上で非常に重要な文書になるでしょう。様々な分野の利害関係者からの意見がデータや手法など取り入れられたものになるでしょう。

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