気候変動のダブルパンチ: 何故もっと海を心配しなければならないか
私たち全員が気候変動により人類が海洋と直面する危険を知っています。極冠の融解が沿岸のコミュニティや島嶼を浸水させる海水面の上昇を招き、嵐などの極端な出来事がより普通のことになりつつあります。しかし私たちはもう一つの危険を見落としています。海には気候の調整という重要な役割を果たしており、気温の上昇はこのバランスを崩す恐れがあります。
海洋はどのようにして温度を適切に保つのか
海洋は太陽の輻射を吸収することにより地球を暖める助けをします。蒸発により海洋は地球の周りの熱を拡散して、大気の温度と湿度を高め雨を降らせます。海流は不均一に分布している熱を暖流、寒流、降雨などにより極地と赤道を往復させることにより弱める助けをしています。
また海は温室効果ガスを調整します。海藻は光合成によりCO2(二酸化炭素=炭酸ガス)を吸収し、海藻が死ぬ時には彼らは(CO2も共に)大気から離れた海底で生涯を終えます。過去200年間に人が排出したCO2の40%は海洋により吸収されたのです。
では何が問題なのか?
海洋中のCO2の増加は海の酸性度を増加させます(200年以上前の産業革命以後30%増加)。これはしばしば‘地球温暖化の双子の悪魔’とか‘もう一つの炭素問題’と呼ばれます。
何故でしょうか?海の酸性化は有名なサンゴ礁やそれ程魅力的ではない植物性プランクトンなどの海洋の生物に及ぼすからです。これらの生物の死(彼らが温室ガスの蓄積に貢献していることをご記憶ください)はCO2吸収が減ることを意味します。その結果、CO2は大気中に止まります。
海の酸性化は海洋の生態系にマイナスの影響を及ぼすだけでなく、世界経済にも大きな結果をもたらします。例えば2007年に米国西海岸でカキの稚貝が前例のない高率で死に始めましたが、それは周辺の海の酸性度の変化によるものでした。これにより同産業は崩壊の危機に陥りました。
問題はこれだけに止まりません。海水面の上昇に話を戻すと、淡水の氷河の融解は海水の塩分濃度を変えます。気温の上昇は海水の温暖化をもたらし、温まった海は冷たい海よりもCO2の吸収を低くします。
北極海の急激な温暖化は永久凍土に閉じ込まれていたメタンを開放します。熱帯の海の温暖化はサンゴ礁の白化と死滅を招き、それが生物多様性と炭素捕捉能力に影響を与えます。
海は地球を救うか?
気候調節者としての海の役割は地球の存続にとって基本的に重要です。気候変動は自然でも起きており、海洋生態系は陸上生態系と同様、このような変化に適応して来ました。けれども海は人が原因の急激な気候変動に対しては過去もこれからも備えがありません。
海の酸性化の率は恐竜が絶滅して以後の6,500万年のどの時点よりもほぼ10倍の速さです。ですから海洋化学は炭素排出に対する自然の緩和メカニズムですが、現在の速さには付いて行けず、海洋生物はそれへの適応に苦労しています。
このような速度では、私たちは自分たちを救い出すために自然のプロセスや生態系に依存し続けることは出来ません。低炭素経済への移行は海洋生物の存続と地球を住みやすくする気候調節機能のための緊急事です。
報告者: Bruna Campos
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