生物多様性の減少を反転させるための鍵となる協力
EU(欧州連合)の自然を守り、再生することは極めて重要ですが、それではどうすれば生物多様性の減少を止めることが出来るでしょうか?先週、欧州委員会から2020年に向けての生物多様性戦略の中間発表が行われましたが、状況は極めて懸念すべきものであることが確認指されました。これに加えて、同じ日に公表されたEUの世論調査(ユーロ・バロメーター)は欧州の住民の大多数が現状に大きな懸念を持っていることを示しています。
それによれば現状は危機的です。多くの種が絶滅の脅威にあり、持続不能な農業への取り組みは十分に行われていません。
それではどのように解決策を見出せばよいのでしょうか?この質問に完全に答えるのは難しいでしょうが、いまバードライフ・ヨーロッパを含む19のNGOが共同し、この問題への関心を喚起し、行動を引き出すと信じている幾つかのキーポイントを公表しました。
そこには現在欧州委員会による‘フィットネスチェック’の対象となっているヨーロッパの主要な自然法である野鳥指令と生息地指令の重要性を再確認することも含まれています。公の協議は結論が出たと思われますが(両指令を見直すのではなく、維持することに圧倒的多数が賛成している)、そのプロセスは終わったとはとても言えません。これらの自然指令が適切に実施された場所では良い結果が出ています。そのために19のNGOによる共同論文はこれらの指令の全面的実施と他の補助的政策へのより強力な統合を強く求めているのです。
野鳥および生息地指令のしっかりとした実行だけでなく、‘EU水政策枠組み指令(WFD)’と‘海洋戦略枠組み指令(MSFD)’の実行も、これらNGOの共同体が生物多様性のための活動として強く求めています。EUは総額60億ユーロの資金を自然に対して投資する必要があります。この資金は、ナチュラ2000保護区ネットワークのより良い管理や特に脅威を受けている生物多様性エリアの保全のために使われるでしょう。また、欧州全域でのグリーン・インフラのネットワーク(いわゆる10Gネットワーク)の展開や、劣化した生態系の復元およびEUの自然の状況を詳しくモニタリングする目的のために使われるでしょう。
EU加盟国はまたEU生物多様性戦略に一致するべく劣化した生態系の少なくとも15%の復元を急ぐという、重要な役割を持っています。現在のところ、この分野はほとんど何も手が付いていない状態です。
受粉媒介者を救うイニシアティブもこのNGO連合が緊急に求めていることです。彼らは不可欠な生態系サービスを提供しており、受粉媒介者の絶滅の脅威への取り組みは問題の根源に至るものと考えられます。農薬が受粉媒介者に与える脅威への具体的な行動がここでの鍵となります。
これらの主な活動のポイントは私たちが直面している全ての問題に対する魔法の解決策では到底ありませんが、欧州の生物多様性の重大な危機において、これらのNGOがともに活動することで、自然保護がより大きな発言権を得ていくことが望まれています。
報告者: Finlay Duncan
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