南アフリカのIBAの3分の1に差し迫った危機があることが報告された
バードライフ南アフリカにより今日発表された報告によれば、同国に定められた112のIBA(重要生息環境)のうちの3分の1に回復不能な損傷の危機が差し迫っています。最も多くみられる脅威には、在来植物を駆逐してしまう外来植物、間違ったやり方による野焼き、農業の拡大および管理の不行き届きなどがあります。保全されていないIBAの環境悪化は懸念すべき勢いで進んでおり、特に草原、湿地、フィンボス(南ア特有の灌木林)でそれが顕著ですが、保全されているIBAも様々な脅威に直面しています。最も高い脅威を受けている42のIBAはバードライフが発行する緊急な活動が必要と特定された世界的に優先度の高いリスト、‘危機にあるIBA’のリストに含まれる予定です。
この南アフリカの‘IBA状況報告書’は1998年に初めて出版された同種の目録を元に更新された改訂版IBAカタログに付随しています。同報告書にはこれら112のIBAそれぞれについての最も重要な特徴に関する最新の情報が記載されており、それには地域の地理的、気候的情報、IBA内に生息する鳥のリスト、サイトに対する最大の脅威、IBAを守るために行われている活動などが含まれています。この刊行物は保護活動家と計画者が活動の優先順位を考える時に利用すること、開発業者があるエリアの影響の感度を理解するために必要であること、また、熱心なバーダーが探鳥旅行を計画する時にも利用することが出来ます。
南アフリカの112のIBAは景観レベルでの野鳥保護活動の最後の砦です。これらのサイトを守ることは南アフリカの鳥だけでなく、同国の他の動植物や、更にはこれらのサイトが人々に与える重要な生態系サービスにも益するのです。これらの生態系サービスには新鮮な水の提供、洪水や病気の管理、家畜農業のための牧草地の提供などが含まれます。IBAを保全することは、陸上の保護区を少なくとも17%拡大することを求めたCBD(生物多様性条約)の愛知目標やCMS(移動性野生動植物種の保全に関する条約)に対して私たちの政府が行った誓約を達成することにもなります。ですから、IBAが悪化している状況は政府当局や利害関係者の速やかな注目を必要とする重大な懸念事なのです。
これらの出版物は共に野鳥保護にとってのマイルストーンですが、それらを野鳥とその生息地および他の野生生物の効果的な保護のためのロビー活動、計画、実行を行うために利用する原動力と考える必要があります。
改定版IBAカタログとIBAの状況報告書はバードライフ南アフリカのIBAプログラム(011 789 1122, daniel.marnewick@birdlife.org.za)から印刷したものを購入できますが、電子版を無料でダウンロードすることも可能です。
報告者: バードライフ南アフリカ