コウノトリ: 地元のボランティアがカウントを行い支えた!
マケドニアで最も良く知られている象徴的な鳥はコウノトリ(シュバシコウ)です。これが何故私たちが地中海フライウェイ・プロジェクトの一環としての国別調査の実施に進んで参加したかの理由です。私たちはこの調査が非常に重要なものであることは知っていましたが、同時に調査は私たちと地元の自然保護グループやボランティとの絆がどれ程強いものであるかを示すものでもありました。
調査によりマケドニアには817の実際に使われている巣があり、2027羽の幼鳥が確認されました。このデータの収集には20人のボランティアと1,000を超える村々の地元住民が加わったのです。
「コウノトリ調査は若鳥が巣を離れる直前の7月中旬に完了しました。これは多量な仕事でしたが、私たちは地元の自然保護活動家やコウノトリ愛好家が皆でやってくれたことを非常に嬉しく思っています。」とマケドニア生態学会(MES)のKsenija Putilinは述べています。
地元のボランティアは異なる条件下で活動し、受け持ち地域への対応で様々な方法を見出しました。ボランティアの一人は受け持ち地区を自転車で回り、二人はコウノトリをモーターバイクに乗ってカウントし、別の一人は巣の中がよく見えるように丘の上までハイキングをし、何人かは離れた場所の巣を探すために何度も道に迷いました。けれども、彼らの多くは見たことを持ち帰り、興奮して報告し、また、‘彼らの’コウノトリの自慢をしました。
このような‘自分の’コウノトリの自慢は、時により敵対意識を招くので、ボランティアは‘最もコウノトリの多かった村’、‘最大の巣’、あるいはコウノトリの世話をする住民の約束などの話をする時には慎重にならねばなりませんでした。
「巣が見つからなかった村を去る直前に、念のために村人に巣がないことが正しいかどうか確認しました。私たちが村を離れ、10分ほど行ったところで間違いを正したいと考えた羊飼いに止められました。実はこの村にもコウノトリの巣が一つあり、何と彼の家の屋根にあったのです。」とMESのボランティアBisera Vlahovaが報告しました。
私たちはこのような自慢に根拠がないわけではないことに気付きました。多くの村で住民は実際に自然保護活動家の役割を果たしているのです。コウノトリの話で有名なマケドニアのある地方では地元住民が自分で巣の台を作り、これを改良する方法を探し、それを利用するコウノトリの数を増やすことが出来るのです。
「屋根の上の大きな巣を見つけましたが、とても変な形をしていました。そこで反対側に行って見てみました。すると家の持ち主が現れ、変な形をしているのは以前巣がバラバラに壊れそうになった時に巣の下に椅子を置いて支えなければならなかったから、と説明してくれました。」とMESのボランティアのBobi Arsovskiは言いました。
「一羽のコウノトリの幼鳥が巣立ち前に巣から落ちてしまったので、拾って納屋で飼い、餌をやっています。丈夫に育って、他の仲間と一緒に渡ってくれるでしょう。」とペラゴニアの住民のVladoは言いました。
私たちのチームのメンバー全員が、地元住民がどれ程強くこの象徴的な鳥シュバシコウと結びついているかという話を持ち帰りました。コウノトリは多くの伝説、ジョーク、信仰のスターなのです。ある地域ではコウノトリが巣を作り始めると気掛かりになりますが、それは間もなくきつい農作業が始まることを意味するからです。別の地域では人々はコウノトリが家畜に害を及ぼす肉食動物から村を守ってくれるものと強く信じています。そして、マケドニア全土では誰もがコウノトリの巣は決して壊してはならないということを知っています。
幾つかの村では、電気工事や屋根の修理のためにコウノトリの巣を除去しようとした作業者のチームが、地元住民によって危うく村から追い出されそうになったという話も聞きました。
マケドニアでの前回のコウノトリ調査は1958年に行われ、1,132の巣と3,576羽の幼鳥を記録しました。殆どのコウノトリが電柱などに営巣している現在と異なり、その当時は、家に営巣していました。
地元住民の参加と協力が効果的で持続的な保護活動には必要不可欠です。バードライフの‘地元住民の参加と強化プログラム’は生物多様性と人々のために保護活動を地元レベルで遂行する目的で、バードライフ・パートナーシップと共に活動する個人と団体を支援するものです。
報告者: Ksenija Putilin
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