復元計画: 島からの最新報告#5-すべてが海岸とヤシだけなのか?
時として環境への人による負の遺産には耐えがたいものがあります。
世界で最も行きにくい島の一つVahanga島から人が去った時にはその影響も終わりを告げたと思われたでしょう。けれども悲しいことに人が持ち込んだ外来種、捕食性のネズミや侵略的な雑草は、これらの繊細な島々や在来の野生生物に対して恒久的で壊滅的な影響を及ぼしているのです。
ありがたいことに、少数の献身的な人たちがこれらの太平洋の島々でその償いのために信じがたいほどきつい作業をしています。‘復元計画’チームは世界で最も希少な種である絶滅危惧ⅠA類のポリネシアアルキバトを絶滅から守るために出来る全てを行っています。
地元でテゥテゥルルと呼ばれるポリネシアアルキバトは世界に約100羽が残っているだけで、そのすべてが仏領ポリネシアに生息しています。身を守るすべがないこの鳥は外来種のネズミに捕食され、生息地は外来植物に浸食されていました。
私たちはアクテオン&ガンビア群島の6つの島の自然のバランスを再生する活動で大きな進展を果たしていますが、島の微妙な生態系は依然として皆様の助けを必要としています。
以下はプロジェクトの責任者で外来種の専門家Steve Cranwellからの最新報告です。
衛星電話を通じたSteveからの報告: 6月25日付
外来植物ランタナはVahanga島の教会の土地の飾りとして持ち込まれましたが、数年たつと入ることが出来ない棘だらけの隙間のない草地となって広がってしまいました。ランタナはポリネシアアルキバトの餌となる植物を含む他の土着植物を駆逐する侵略的な雑草なのです。
剪定ばさみ、マッチ、スプレーの壜で武装して、ランタナの茎1本ずつが切断され、スプレーが撒かれます。3日のうちに1ヘクタール近くが一掃され、その後の焼却のために雑草の山が積まれました。ありがたいことに、地元の発明品(枝用の梃やフック)、多くの人の筋肉、そしてユーモアが私たちの数週間のきつい労働を助けてくれました。この活動が来年も行われれば、その結果、この雑草の根絶も可能でしょう。
雑草がこのような状態になれば、ヤシがほぼ間違いなく最大の問題です。ヤシは島にすっかり定着しており(Vahangaには昔からのヤシ農園がある)、また地元の人々の重要な所得源なので解決はより複雑ですが、SOP(Manu: 仏領ポリネシアのバードライフ・パートナー)、教会、政府および地元の人たちの支援があれば取り組みが可能です。既に良いスタートが見られます。
SOP(Manu)のTom Ghestemmeは「Vahangaでのヤシの収穫は、島の生物多様性への利益を理由にカトリック教会が決定して、2000年以後行われていません。」と言っています。
SOP(Manu)とバードライフはこれらの環礁周辺の地元コミュニティと共に、今後の2~3年にバイオセキュリティ文化(生態系を守っていく文化)を育てるための継続的な支援を続ける予定です。地元ツアモツの人々と野生生物のニーズが合致するようヤシを管理することがこれらの島々の復元と保全を行う上での重要な次のステップでしょう。
活動に話を戻すと、私たちは何年にも亘り積み重ねられていたヤシの実から果肉を乾燥する小屋や貯蔵所を清掃しました。これらの場所がネズミの食糧になり隠れ場所にもなっていたのです。島の所有者の承認を得て、環礁からヤシ殻の山の残りを除去するために組織的な焼却を始めました。
地元の人たちはこれまでのところ全員がバイオセキュリティ制御に必要な方策に協力的で、手っ取り早い解決策はありませんが、私たちは素晴らしいスタートを切ることが出来ています。
トムの指が落ちて来た岩で押しつぶされたことを除けば誰もが元気です。皆の話では彼の指も回復に向かっているそうです。
Steve
(報告者: ショーン・ハレル)
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