牧場の鳥にも分け前を残してあげよう

'心地の良い粉'(Farine Mélodieuse)
写真提供: (c) Natagora

他の欧州諸国と同様、多くの農耕地の鳥の減少はベルギーにおいても憂慮すべき状況です。だれでも知っている、以前は普通に見られたスズメやキアオジまでが野原や牧場から姿を消しつつあります。これは一つには欧州全域でこれまでの農法が自然の景観を変えてしまったことによりますが、冬季に荒地のまま残される原野には鳥たちに飢えをしのぐのに十分なエサが残っていないことにもよります。これがNatagora(人名)のFarine Mélodieuse(‘心地の良い粉’の意味)プロジェクトのインスピレーションを生んだ理由で、そこでは一人の農民が鳥のために自分の小麦の収穫の一部を原野に残しておくことにより彼らが長い、寒い冬を生き残る助けにします。

Farine Mélodieuseというプロジェクト名は馴染み深い牧場の鳥Linotte Mélodieuse(キアオジ)に由来します。このプロジェクトでNatagoraは農業が集約的で、野鳥があまり居ないワロン地区の一部のエスベイユでオーガニック農業を営む農家の一人と一緒に活動していました。昨年、同農家が収穫量の10%の小麦をそのまま畑に残しておいたところ、驚くことではありませんが、鳥が戻って来始めたのです。AVESのボランティアとNatagoraはキアオジ、アオカワラヒワ、ムネアカヒワが餌を食べるために畑に何度も戻って来たり、まだ地上に立っていた麦の穂の下にやって来るのを観察しました。これは僅かこれだけのことで牧場の鳥の減少を反転させる助けになることを示すものです。

農家は鳥のためだけにこのようなことをしたわけではありません。彼は全体の90%の小麦を自分で収穫しオーガニック“Farine Mélodieuse”として販売しました。彼は小麦の粒をゆっくりと回転する大きな石臼で昔ながらの方法でひき、製粉しました。これは油が多く含まれる小麦の胚芽とふすまを残す昔からの製法で、栄養分の多いところを剥がしてしまう大量生産による小麦粉よりも健康に良いのです。今日、人々は商品の選択について、より意識を強めていますが、彼らは健康に良いと言うだけでこの小麦粉を買うのではなく、このプロジェクトへの財政を助け、牧場の鳥にも利益になるように買うのです。

“Farine Mélodieuse”は自然や人々や鳥にとって良いことです。Natagoraは来年もこの実験を広め、他の欧州の国でも牧場の鳥が戻って来るようにするために同じことが行われることを期待してこの言葉を広めています。

(報告者: Sylviane Gilmont)

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