EU自然指令を守るべき4つの理由
1970年代になるまでヨーロッパではワシやペリカンや大型哺乳動物などの素晴らしい生き物を見るためには自然に囲まれた遠隔地へ行かねばなりませんでした。数世紀に亘る迫害と生息地の消失が大きな打撃を与えていたのです。けれどもこの数十年の間に状況は大きく変わり、個体数が少なかった種が戻って来ています。何故でしょうか?EU野鳥指令と生息地指令のお蔭なのです。
この数十年でヨーロッパの光景は大きく変わり、動物が居なかった状態から数の少ない種が戻りつつある状態へ変化しています。完全に姿を消してしまった種や物陰に身を潜めていた種も再び見られるようになりました。何故でしょうか?EU野鳥指令、生息地指令とも呼ばれるEU自然指令によるところが大きく、これらはヨーロッパの自然を守る基盤なのです。
EU自然指令はバードライフ・ヨーロッパの活動の心臓部で、私たちは自然と野生生物を保護するために何度もこれらの法律の効率と必要性を見直してきました。確かに全てがバラ色だったわけではなく、多くの欧州の国でその実施が行われていないということはまだ改善の余地があると言うことです。けれども、これらの法律が希少種や象徴的な種とその生息地の劣化や完全喪失を阻んだだけでなく、ヨーロッパの人々に大きな経済的利益をもたらしたということは多大です。私たちは適切性のチェックのために疑問に答えつつ、欧州委員会が確実にこの事実をそのまま有するために彼らとこの情報の全てを共有しています。
自然指令は効果的か?
はい、同指令のお蔭でビーバー、オオカミ、ツル、オジロワシなどの象徴的な種の多くが戻って来ました。また、指令が実施されて以来、保護対象種の個体数が増えました。最後に、指令は狩猟のために必要な枠組みを導入するので、EUのフライウェイに沿って渡り鳥へのより強力な保護をもたらしました。同指令はトリモチや猫いらずなどの残酷で無差別な殺害方法を違法としており、また野鳥の繁殖期と重なる春季の狩猟も殆どのEUの国々で過去のものになっています。
自然指令は効率的か?
はい、特に管理面と財政面で効率的です。同指令は他の部門の同様な法律と比較して管理面で効率的です。ユーロについて言えば、同指令はかなりの金額をもたらします。生息地指令の下に作られた保護区である‘ナチュラ2000ネットワーク’を通してだけで、適切な管理が行われれば約3千億ユーロを欧州経済にもたらすことが出来るのです。このことは自然災害からの保護、清浄な空気、飲料水およびEU住民のための健康全般など自然が提供する様々な利益の最上段に来るものです。
自然指令は他のEU法規と首尾一貫しているか?
はい、同指令は他の法規ともうまく連動しています。同指令は‘委員会ガイダンス’および広範囲に及ぶ利害関係者協議が伴っており、これが実際のあるいは認識されている争いの解決に役立ちます。指令は他のEUの環境法規と効果的に一体化されており、水資源枠組み指令を含む他の法規を補完しています。
自然指令はEU市民とどのような関係があるか?
バードライフは毎日欠かさず欧州全土で人々や団体と交流しています。大多数のEU市民が自然および引き続く生物多様性の喪失に深刻な懸念を持っているので、彼らが望んでいるものを与えている法規を廃棄する必要がどこにあるでしょうか?
欧州市民は野生動物や鳥が生息する自然の場所を探索することが出来るという基本的な権利を持っています。あらゆる証拠が自然指令はその役割を果たしていることを明確に示し、その廃棄は自然と野生生物にとっての大災害になるだけです。この問題に関心を持つバードライフ、他のNGOおよび全ての人々は欧州委員会が何を決定するかを知るために待っているところです。
(報告者: Wouter Langhout)
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