モンテネグロの野鳥の楽園が開発業者から守られた

Ulcinj Salina(地名)のフラミンゴの群
写真提供: モンテネグロ鳥類保護・研究センター

 

夏になると人々が海辺に押し寄せる国では、開発業者がモンテネグロのUlcinj Salinaの絵のように美しい塩原が大金に見えても不思議ではありません。

何世紀にも亘って多くの鳥にとって東アドリア海に沿った最も重要な場所だったこの海岸線の湿地は開発業者の待ち望む場所でもありました。彼らはこのエリアを観光業の楽園に変えようとしましたが、鳥類保護・研究センター(CZIP)やそのパートナー団体の何年にも亘るキャンペーンによりこれが止められました。幸いなことに、この特別な場所は保護区に指定されるプロセスに乗っているので危機を脱しました。

美しく、塩分を含んだUlcinj SalinaはBojana川の出口を形成するBojana-Bunaデルタの一部であり、モンテネグロとアルバニアの自然の境界線です。ここはアドリア海地域でも最も重要なIBA(重要生息環境)の一つで、250種もの鳥が営巣したり、東アドリア海フライウェイに沿って渡りを行う鳥が春と秋に中継地として利用します。コアジサシやニシツバメチドリなどの希少種が繁殖し、イシチドリやブッポウソウが渡りの途中で休息に利用します。季節により、数百羽のへラサギや世界的な絶滅危惧種ハイイロペリカンが通過する姿を見ることも出来ます。

このような場所が破壊されホテルやゴルフ場だらけの場所に転換されるのは想像することも困難です。けれどもこれは正に起きようとしていたことなのです。過去10年に亘り、観光産業から投資家にこのエリアを観光目的に開発する許可を与えるようにとの大きな圧力がありました。湿地を干拓しホテルやゴルフ場にする計画があったのです。これはCZIPやコミュニティがこのエリアとそのユニークな野生生物に特別な保護を保証し、守るべきであると政府を説得するまで続きました。

最近の自然保護への非常に積極的な前向きの動きの中で、モンテネグロ政府はUlcinj Salinaを野鳥の重要な繁殖地、越冬地であることを公式に認めたのです。彼らは今ここを保護区に指定するステップを取りつつあり、今年の末までにはベルン条約の定める公式の‘エメラルド・サイト’として発表される予定です。

自然エリアが観光の複合施設になってしまった時、自然や野生生物に何が起きたかという記憶は数多くあります。多くの人にとって地球上に手つかずの自然が稀になるのに伴い、それは鳥や野生生物にとっても益々稀なものになります。バードライフはUlcinj Salinaの未来が数えきれないほどの旅行者ではなく、数えきれないほどの鳥と自然愛好者との写真が撮られる場所になることを喜んでいます。

報告者: リサ・ベネデッティ

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