鳥を感電死から守る: バードライフのブルガリアのパートナーが送電線に関する活動で受賞
1月27日、ブルガリア鳥類保護協会(BSPB; ブルガリアにパートナー)およびバードライフ・パートナーシップは‘再生可能グリッド・イニシアティブ(RGI)’の環境保護部門での‘優秀実行賞’を受賞しました。ブリュッセルで毎年行われるRGI会議で贈られたこの賞はブルガリアとスーダンでの感電と送電線への衝突による鳥の死を防ぐNGOの活動を報いるものです。
賞を受けたBSPBのプロジェクト・ディレクターSvetoslav Spasovは「ブルガリアでのカタジロワシとスーダンでのエジプトハゲワシの二つのケースで、私たちが頭上の送電線の安全を確保し、多くの鳥の死を防ぐことが出来たことを嬉しく思います。恒久的な解決にはまだやるべきことがたくさんあります。私たちには国の諸機関、民間の電力会社および自然保護コミュニティの間での積極的な協力とパートナーシップが必要です。」と述べました。
2009年から2013年の期間、ブルガリアにおける調査標識付きのカタジロワシの送電線での感電死は67%を占めていました。スーダンではスーダン港から紅海沿岸に伸びる悪名高い送電線で感電死したエジプトハゲワシは1950年に送電線が建設されて以来、数百羽、恐らくは数千羽に上ると想定されています。
BSPBの活動は先ずブルガリアでのワシやハゲワシ類への脅威を調べることから始まり、次にEVNなどの送電系統の運用業者と共同で送電線を安全なものにするため絶縁体を組み込んだものに変える作業をしました。その結果、鳥たちはフライウェイの反対側の終着点スーダンでも同様な脅威を受けていることが明らかになりました。そこで、バードライフのUNDP/GEF(国連開発計画・地球環境ファシリティ)‘渡り性帆翔鳥(MSB)’プロジェクトとバードライフの地元のパートナーであるスーダン野生生物協会が活動することを決めました。彼らの努力の結果、2014年にスーダン送電会社は最終的にスーダン港の送電線を完全に絶縁体を使い、鳥に安全なものに取り換えたのです。
RSPB(英国のバードライフ・パートナー)の気候変動政策部門のヘッド代理のIvan Scrase博士は「これはまだ送電線が鳥に及ぼす危険性が十分に気づかれていなかった過去の時代の過ちに起因する問題を解決し、優れた設計とルーティングを使うことにより、どのようにして問題を回避するかという偉大な功績です。私たちは、世界の野生生物に与える気候変動の巨大な脅威に対処するために必要なインフラ建設を行うので、先ずそれが正しく行われなければなりません。」と言いました。
この‘優秀実行賞’は送電系統の分野での、既存のものに対する開発、イノベーション、改良での顕著な功績に与えられるもので、その内容は環境保護、利害関係者の参画、あるいは送電開発を取り巻く多くの分野の一つに関係したものであっても構いません。その主たる目的は‘将来への行動と革新的考えを促す’ことにあるのです。
RGI(再生可能グリッド・イニシアティブ)は2009年に欧州の送電系統に100%の再生可能発電を統合することを促進するために開始されました。RGIは欧州の送電システム運用業者とNGOの連合体です。
(報告者:エロディー・カンタルーブ)
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