リベリアが生物多様性の保全で一歩飛躍する

リベリアの主要な自然保護団体SCNLは
政府から地域コミュニティに至る様々な利害関係者と共同で活動しています。
写真提供:Michael Garbo/SCN

リベリアの‘野生生物保護および保護区管理法’が2014年11月11日に同国の下院でやっと承認され、現在上院での批准を待っています。次に法案は大統領による20日以内の署名に回された後、法律として成立する前に告知書に印刷されます。この極めて重要なプロセスが完了するまであと数週間を残すのみになりました。

この法的措置はリベリアでの生物多様性保全にとって大きな飛躍であり、また支えにもなります。リベリアに選択の余地はなく、持続可能な森林と環境管理の方向を定めるしっかりとした戦略、政策、法律を採択するしかありません。同国には西アフリカの上部ギニア生態地域に残る熱帯原始林の40%があります。リベリアの森林は生物多様性と固有種や絶滅危惧種の多い豊かな場所で、高レベルの保護懸念が生じています。それらの動植物には少なくとも2,000種の花の咲く植物、150種の哺乳類、600種の鳥類、74種の爬虫類と両生類および1,000種の昆虫が含まれています。これらの野生生物資源は確実に持続可能な形で利用され、その利益は現世代だけでなく将来世代にも与えられるように法律で守られた適切な環境があるエリアで保護されなければなりません。

ゴラの森林: リベリアの生物多様性ホットスポット 写真提供:Annika Hillers/RSPB

この法律の成立により実証される自然資源保全のための奮闘は1986年に始まりましたが、正にこの年にSCNL(リベリア自然保護協会)が教育、出版、調査を通じて自然資源の賢明な利用を進める目的で設立されたのです。SNCLは現在ではリベリアにおける最も活動的なNGOの一つになっており、同国のバードライフ・パートナーとなって、Aage V. Jensen基金(デンマーク)、欧州委員会、アルカディア、RSPB(英国のバードライフ・パートナー)およびUNDP(国連開発計画)などの資金支援を受けて自然保護プロジェクトを行っています。

2005年以後、SCNLは他の国内外のNGOと共同でリベリアの林業セクターの改革に取り組んでいます。そのような改革活動の結果には林業改革政策、林業改革法、林地に関するコミュニティ権利法、ピソ湖複合利用保護地設立法およびリベリアとシエラレオネに跨る国境の保護区として提案されているゴラ森林国立公園制定に向けた動きなどが含まれています。SNCLとそのパートナーはこのゴラ森林国立公園制定の法案が作られ、2015年1月までにリベリア大統領により国会に提出されるよう、その進展の先頭に立って活動しています。2009年5月15日にシエラレオネとリベリア両国の大統領により示された政治的意思がこれにより結実することが期待されています。

(報告者:Obaka Torto)

 

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