採掘活動と生物多様性は両立してやって行ける

ハイデルベルク・セメント社の採石場のショウドウツバメ
写真提供:(c) Hartwig Brönner

バードライフ・インターナショナル自然保護担当理事、ハイデルベルク・セメント者2014年度‘採石場ライフ賞’審査員リチャード・グリメットへのインタビュー

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今年バードライフの自然保護担当理事リチャード・グリメットはハイデルベルク・セメント(HC)社のイニシアティブ‘採石場ライフ賞-2014’の受賞者を選ぶ審査員を務めました。このインタビューでリチャードはこの国際コンテストの審査員としての経験について話し、なぜ鉱物抽出事業と生物多様性が両立してやって行けるかを説明しました。それは又バードライフがハイデルベルク・セメント社の持つ採石場を自然に最も利益を与える方法で管理する支援をするために同社と3年前にチームを組んだ理由でもあります。

‘採石場ライフ賞’コンテストはハイデルベルク・セメント(HC)社の生物多様性を促進するための活動の一端です。2年ごとに学生や研究者により採石場の生物多様性に目標を定めたプロジェクトが実施され、その結果がハイデルベルク・セメント社のマネージャーや独立の自然保護活動の専門家による国際審査で評価されます。今年の受賞者が12月9日にプラハで開催された授賞式で発表されました。

生物多様性の促進に対する採石場の役割についてどのようにお考えですか?

採石場は生物多様性の保護との関係で重要な役割を果たしており、明らかに大きな影響を与えます。環境復元の機会があります。生息地を造る機会、新しい湿地や草原地帯を造る可能性などヨーロッパ全土で多くの成功例を見ています。ですから、それは最も影響を受けやすいエリアを避けると共に、影響を管理し、保護活動の機会を最大にすることなのです。

採掘産業はどのようにして生物多様性保全に影響を与えることが出来るのでしょうかー採掘と生物多様性は両立するのですか?

私は両立できると信じていますが、それを可能にするには信頼できる産業が必要です。最も影響を受けやすいエリアは避けねばならないということは間違いありません: 鉱物の採掘を行うには不適切な場所は確かにあります。けれども影響を最小化し相殺し、恐らくは差し引きで保護の貢献度をプラスにする機会があると私は考えます。

‘採石場ライフ賞’コンテストに対する印象はいかがですか?価値があると思いますか?

‘採石場ライフ賞’は多くの国にとって参加することが非常にワクワクする機会でした。私たちは重大なプロジェクトが前進し、大学や市民社会が生物多様性問題と取り組み、自然保護の観点から価値を加えるために採石場と共同で活動する大きなチャンスを見て来ました。

私が見たプロジェクトの幾つかは保護問題と共に管理対応がどうであるかを加えました。その結果採石場管理者と地元の利害関係者がこれらの問題について考えるようになり、このスキームから多くの正の外部性が生まれました。

それではハイデルベルク・セメント(HC)社はこのコンテストの結果を今後どのように利用すべきでしょうか?

本当に大切なのは市民社会やこれらのプロジェクトに関心を持っている大学の学部との間に築かれた関係を維持することだと私は思います。HC社がこれを前に進めることに期待する人もいるでしょう。生物多様性管理計画に加わわったりやプロジェクトの枠を超えて地元機関との関係を築くことを考えてこのプロジェクトから生じる幾つかの提案をHC社が取り上げることを期待する人もいるでしょう。

リチャードさんご自身は‘採石場ライフ賞’へのご参加を楽しみましたか?

はい、非常に!実際の採石場を幾つか自分の眼で見ることが出来たのも大きな経験でした。運営委員(リチャードは3年間‘採石場ライフ賞’委員会のメンバーになっている)であることの危険は、採石場の現場で何が起きていて、採石場管理者の観点から現実を理解することを自分で見ないことです。ルーマニアで採石場の一つを訪問できたのは大変ためになりました。ルーマニアのような国で採石を行うことが何を意味するのか、どのような保護問題があるのか、これらの問題に取り組むための機会は何か、などを学ぶことが出来ました。非常に興味深かったです。

今後の‘採石場ライフ賞’へのアドバイスは何でしょうか?

前もって採石場とコネクションを築いておくこと、生物多様性管理計画や地元の利害関係者と共にどこに採石場があるかを理解しておくこと、自身が進めようと考えているプロジェクトからどのような付加価値を生み出せるかを見ておくことなどでしょう。NGOあるいは大学の機関として自身が進めようと思っているプロジェクトからどのようにして利益を生み出すかなどのついても考えておくことは興味があるでしょう。

それでは来年のコンテストにも期待されていますか?

はい、もちろん!私は前進を果たしたプロジェクトに心から感銘し、どのような新プロジェクトが上がって来るのか、今まで参加していなかった新しい国が加わるのかを本当に楽しみにしています。次回のコンテストにも大いに期待できる良いスキームです。

(報告者:バードライフ・ヨーロッパ)

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