決定待ち: 土地は食糧生産のためか燃料生産か?
地上で作るバイオ燃料は制限されるでしょうか?その第二世代は失敗を繰り返すでしょうか?バイオ燃料は自然に損傷を与え続け、温室効果ガス(GHG)
の排出という観点では化石燃料と同じ悪影響を及ぼすでしょうか?EU(欧州連合)の研究機関がこれらの疑問に回答を出せるところまで来ました。正しい答えなら良いのですが。
欧州は最終的に食糧をタンクに貯蔵しておくことを求めない決定をするのでしょうか?これは私たちが正にこの6年間自らに問い続けてことです。2014
年の秋になった今、私たちは最終決定をする時期に近付いています。燃料用食物に関する論争の大部分は、運輸部門において再生可能エネルギーのシェアを10%にする義務を加盟国に課すEUの目標に回帰します。私たちはこの目標(および関連する条件)は変更すべきであると主張して来ましたが、それはこの目標が欧州やヨーロッパの人々が向かっている道を変えるのではなく、地上で作るバイオ燃料にだけ取り組んでいるからです。
いわゆる欧州議会第二読会では、欧州議会、欧州閣僚会議、欧州委員会は多くの難題について合意をしなければなりません。
第一に、ヨーロッパは食糧価格を増加させ土地価格の高騰を招く地上で作るバイオ燃料の使用に上限を策定するでしょうか?もしイエスであるならその量は?欧州委員会が提案する5%(全燃料の)か、欧州議会が提案する6%か、閣僚会議が提案する7%でしょうか?バードライフと他の環境団体は全ての
地上で作るバイオ燃料を最低のパーセントに制限するよう求めています。
第2に、バイオ燃料と化石燃料の比較において、補助金を得るにはバイオ燃料がどれ程良くなければならないのでしょうか?全ての炭素排出量を測るべきなのでしょうか、直接排出だけで良いのでしょうか?NGOはこれまで間接排出も含めるべきだと求めて来ました。これらの間接排出(間接的土地利用の変化:ILUC)はその国では顕出しないかも知れませんが、他の国に影響を与える可能性があります。そして、もしこのためにより多くの炭素排出が大気に流れ、またより多くの熱帯雨林の伐採を招くなら、私たちはそれを食い止めねばなりません。欧州委員会と閣僚会議は‘その状況を報告すること’を望
むに止まり(閣僚会議はこれに怪しげな追加の報告規則も加えて)、一方、欧州議会は間接排出を含むことを求めていますが、それも部分的で、後の段階でという条件付きです。報告だけでは明らかに茶番です。
最後に‘将来の’問題について。次に何が来るべきか?電気自動車でしょうか?他の形のバイオ燃料でしょうか?もしそうであるなら、その真の意味は?どれほど進んだものか、土地をベースにしたものか、食糧をベースにしたものか、温室効果ガスに集中したものでしょうか?代替手段を持つことは必要ですが、過去の失敗を繰り返さないということも同じくらい重要です。持続可能でない農業あるいは林業強化を増加させる第2世代バイオ燃料は田園地方
に依存している多くの種に何も残すことなく地方からあらゆる残余物を取り去ります。あるいは、第1級の農産物や林産物を大量に犠牲にするバイオ燃料生産は‘進歩的’とは考えられず、単に現在の問題を先送りにしているだけです。
現在欧州委員会、欧州閣僚会議、欧州議会の3組織はどこが(次代の)産業により多くの推進力を与えることが出来るかということで争っています。
今後の2カ月間でヨーロッパは私たちの運輸部門の将来をどのようにするのか、そしてそれは私たちの土地を食糧生産か燃料生産のどちらに向けることを意味するのかについて最終結論を出さねばなりません。この決定はクリーン・エネルギーと引き換えに土地が燃料のために使われている、と注目してきた一般の人々やNGOが長い間待っていたものです。
(報告者:Trees Robijns)
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