ホイットリー自然基金がカタシロワシの保護活動によりバードライフのブルガリア・パートナーを報いた
2014年ホイットリー表彰式が5月8日にロンドンの王立地学学会で開催されました。表彰された9団体の中で、ブルガリア鳥類保護協会(BSPB: ブルガリアのパートナー)が‘南東ブルガリアの自然草原保全の最重要種カタシロワシ’プロジェクトによりSegré基金によるホイットリー賞を贈与されました。表彰式は英国テレビのケイト・ハンブルの主催で行われ、同基金の後援者であるアン王女より受賞者に渡されました。
20世紀末まではブルガリアは‘ワシの国’として知られていました。現在同国には僅か8つのカタシロワシの巣が残っているだけですが、それでもこれはEU全体の20%に相当するのです。BSPBの活動は、同国内でカタシロワシを絶滅の淵から救うためにこれを自然草原の生息環境の最重要種と定め、合わせて、セーカーハヤブサ、ヨーロッパハタリス、マダライタチ、カメなど他の絶滅危惧種を保護することを目的としています
コロニーの衰退は主に生息地の喪失、高圧線鉄塔での感電、巣の密猟、不法な殺傷が原因です。ブルガリアのEUへの加盟と農業補助金が牧草地の大規模な開墾につながり、これが残ったワシの個体群の脅威となったのです。より利益があり環境に優しい農業補助金の制度があるのですが、申請が難しくほとんど知られていません。
プロジェクトの枠組みの中でBSPBはブルガリアの農家に対して農業所得を高めつつワシの生息地を保護する農業環境対策の申請と実施の支援を行って来ました。同時にBSPBはエコツーリズムを基盤とする環境に優しいビジネスを開発して来ました。実際にワシはバードウオッチング・ツアーと持続可能な農業を通して地元に所得をもたらすことが認識されました。更にBSPBはコミュニティに責任感を起こさせ、保護活動が長期に亘り続くことを確実にするために住民参加型のモニタリングや巣の保護を指導しました。
「私たちの‘巣の保護プログラム’は繁殖の成功と幼鳥の生き残り率を大きく増加させました。」とBSPBの保護部長Stoycho Stoychevは言いました。
これまでにBSPBが行った活動はブルガリアにおけるカタシロワシの個体数増加に大きく貢献し、この10年で個体数は2倍の25繁殖ペアに達しました。
ホイットリー自然基金は英国で登録されたチャリティー団体で、世界で最もダイナミックに活動をした自然保護活動家を表彰、助成金を提供し、正しい科学と現実主義およびコミュニティが参加することに立脚したプロジェクトを支援するものです。
(報告者:エロディ・カンタルーブ)