世界湿地の日を祝う

マダガスカルの湿地での米栽培
写真提供:Roger Safford

2月2日は‘世界湿地の日’の記念日です。この日にカスピ海沿岸のイランの都市ラムサールで湿地条約(いわゆるラムサール条約)が採択されたのです。今年は‘湿地と農業’に焦点を当てます。‘成長のためのパートナー’は湿地と農業部門(および水部門)に対する要求に焦点を当て最も公平な成果が上がるよう共に活動します。

湿地は数百万人の人々に、食糧、繊維、洪水からの防御、水の浄化と供給など、不可欠な恩恵を与えます。湿地の重要性はおよそ2億ヘクタールの湿地が約2,000ヶ所の‘国際的に重要な湿地(ラムサール・サイト)’の指定となって反映されています。

湿地はしばしば農業への障害物と考えられ、農地開発のために排水や干拓が続いています。しかし、農業を支える上での湿地の重要な役割は益々明らかになって来ており、湿地を正常な状態で守りつつ成功している農作業があるのです。

2050年までに90億人を超えると推定される世界人口の食糧をまかなうためには食糧生産高を60%増やさなければなりません。農業用水の消費も19%増加すると推定され、この増加する水需要の多くは既に水が乏しくなっている干拓地からです。

農業による水と土地の需要増は湿地の将来を益々危ういものにしています。耕作あるいは水産養殖を目的とする湿地の排水と転換は目に見える例です。同様に有害なのは湿地の汚染につながる農薬や化学肥料の広範囲な使用です。

正常な湿地を支える農作業の成功例には効率的な灌漑システムや干ばつに強い作物があります。水の汚染を減らす有機農法などその他の農作業も湿地を正常に維持することを助けます。

湿地は生物多様性にとって極めて重要な多様な環境です。サギ類、ハクチョウ類、ガン・カモ類やシギ・チドリ類は生涯の大部分を湿地で暮らします。少なくとも世界的な絶滅危惧種の12%が湿地に依存しています。これらの鳥たちにとって最も重要な湿地のタイプは湖沼、河川、沼地および沿岸礁湖などです。湿地はIBA(重要生息環境)の中の高い比率を占めていますが、主として水鳥の大きな群れにとって重要だからです。

ラムサール条約は、バードライフ・パートナーにとって、それぞれの国の多くのパートナーと共にIBAを‘国際的に重要な湿地’として指定することに貢献してきたところから、最重要な世界的なメカニズムの一つになったのです。

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報告者:マーチン・フォーリー

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