スーダンの‘殺鳥電線’の送電が止まった
悪評の高いスーダン港から紅海沿岸に延びる送電線のスイッチが切られました。この送電線は1950年代に建設されて以来、数百羽あるいは恐らく数千羽の絶滅危惧ⅠB類のエジプトハゲワシを感電死させたと考えられています。
スーダン政府および電力会社によるこの断固たる行動はBSBP(ブルガリアのパートナー)、バードライフの国連開発計画(UNDP)+地球環境ファシリティ―(GEF)の渡り性帆翔鳥(MSB)プロジェクトと地元NGOのスーダン野生生物協会(SWS)の長年に亘る活動の結果です。
‘殺鳥電線’の閉鎖と場所の変更という決定は2013年3月にSWS会長のIbrahim Hashim教授による、MSBが資金提供を行った政府および電力会社の上級代表者へのプレゼンテーションによるものです。同年9月までに既存の電線に並行して走る新しい完全な絶縁送電線の工事が始まっていました。
送電線が切られたというニュースは、MSBプロジェクトのチームがリフト渓谷・紅海フライウェイでの鳥と送電線に関する同プロジェクトのガイダンスを行うために、スーダン電力会社を訪問している正にその時にもたらされました。
Ibrahim Hashim教授はこの決定について次のように喜びを述べました。「エジプトハゲワシやその他の猛禽類はこれで渡りのルートのこの部分では安心して翼を休めることが出来るでしょう。」
MSBの地域プロジェクト・コーディネーターのオサマ・アルヌリは言いました。「今回の大きな成果はブルガリアのバードライフ・パートナーがエジプトハゲワシや他の帆翔鳥への脅威を調査し、それを数値化する活動、MSBプロジェクトとスーダン野生生物協会の目標を定めた活動およびスーダンの電力会社の役員によるこの長期に及ぶ問題を解決しようとする献身が積み重ねられた結果です。私たちはツーリズム・野生生物省と野生生物保護部の支援に対しても謝辞を述べる次第です。」
BSPBの常務理事Mrs Nada Toshevaは「ブルガリアのバードライフ・パートナーと渡り性帆翔鳥(MSB)プロジェクトによる今回の大成功はエジプトハゲワシやカタシロワシの若鳥などの長距離を渡る鳥の保護を効果的に行うにはバードライフのネットワーク内での大陸間での共同作業が大切であることを示しています。」
「この大ニュースはバードライフ・パートナーシップが政府や産業界と共同で活動することの有効性を示すものです。世界全体で地域ごとに活動することにより渡り鳥の保護などの大きな問題に取り組むことが出来るのです。関係者の皆様にお祝いを申し述べます。」とバードライフの事務総長マルコ・ランバーティニ博士は言いました。
(報告者:ジュリアン・ジュレイサッティ)