2023年版レッドリスト更新:危機的状況にある鳥類に希望の光

 

生物多様性の損失が危機的状況にある中、バードライフが作成したIUCNレッドリスト2023年版は、かつてない速さで鳥類の減少が進んでいることを示しました。一方で地域社会が保全に取り組むことで自然が再興する可能性があることを示唆しています。

 

IUCNレッドリスト2023年版は、12 月11日に発表されました。更新版では、アジアのコウノトリ3種がダウングレードされるなど、地域社会による保全の効果を示すものとなりました。オオハゲコウ(コウノトリ科)とコハゲコウ(コウノトリ科)についても生息地と種を保護する地域の取り組みにより、それぞれ危機(Endangered)と危急(Vulnerable)から準絶滅危惧(Near Threatened)にダウングレードしました。またインドトキコウ(コウノトリ科)は湿地の保全活動により、準絶滅危惧(Near Threatened)から低懸念(Least Concern)に下がりました。

 

「インドのアッサム州では、オオハゲコウの巣が2010年の28から250以上に増加し、世界最大の繁殖地となりました。オオハゲコウは文化的象徴となり、地域の女性による保全活動が行われるようになりました。」

 

2024年1月発売のバードライフマガジン『March of Adjutants』(Devathi Parashuram著)からの抜粋。

Greater Adjutant Stork © Shutterstock/Super Prin

Painted Stork © Shutterstock/Danny Ye

Lesser Adjutant Stork © Shutterstock/KobchaiMa

 

バードライフ・インターナショナルは、鳥類のレッドリスト作成機関であり、11,000種の鳥類を評価しています。1988年以来、バードライフは7回にわたる評価を実施しており、2024年末までに8回目を完了することを目指しています。2023年には500以上の種が再評価され、200種以上が再分類されました。

 

更なる成功例として、ハワイのヨシキリ科のレイサンヨシキリが、深刻な危機(Critically Endangered)から危機(Endangered)に下がったことがあげられます。一方で、ハワイ固有のミツドリであるコハワイミツスイ(アトリ科)とカウアイミツスイ(アトリ科)が危急(Vulnerable)から危機(Endangered)にアップグレードしました。また、チリのロビンソンクルソー島固有のフェルナンデスカラタイランチョウは、準絶滅危惧(Near Threatened)から危機(Endangered)にアップグレードしました。

 

Millerbird © Shutterstock/Prokaev Vladimir

 

懸念されるのは島の固有種だけではありません。キノドオオハシ(オオハシ科)は南アメリカの森林破壊の影響により、個体数が大幅に減少し、低懸念(Least Concern)から準絶滅危惧(Near Threatened)にアップグレードしました。ヤシオウム(オウム科)も、生息地の減少やそしてニューギニアで増加している密猟により、低懸念(Least Concern)から準絶滅危惧(Near Threatened)にアップグレードしました。

 

東南アジアでは、低地の森林破壊が急速な個体数の減少をもたらしており、ズグロキヌバネドリは準絶滅危惧(Near Threatened)から危急(Vulnerable)にアップグレードしました。ノガンはユーラシア全域で減少が進み、危急(Vulnerable)から危機(Endangered)上がりました。

 

Cinnamon-rumped Trogon © Shutterstock/Thipwan

 

「鳥類は環境の状態を判断するための最適な指標です。絶滅危惧度が上がることは、さらなる対策が必要であることを示しています。逆に、オオハゲコウやコハゲコウなどの象徴的な種のランクを下がったことは、地元コミュニティなどによる保全活動が機能していることを示しています。」

BirdLife Internationalのグローバルサイエンスコーディネーター(種)Dr. Ian Burfield

 

初めて絶滅危惧種に指定された種もあります。

インドネシア/ワンギワンギメジロ:乱獲により危惧種(Endangered)、アフリカ/プリンシペコノハズク:危機(Critically Endangered)、ニューカレドニアウミツバメはデータ不足のため評価できませんでした。レッドリストの更新には、バードライフのすべての鳥類の分類リストの最新バージョンが添付されています。

 

IUCNとレッドリストに関する詳細な情報は、当社のウェブサイトまたは https://www.iucnredlist.org/ で入手できます。

 

原文 “The 2023 Red List update reveals hope for birds in crisis

(本文を一部編集しました)

 

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