風力発電会社が野鳥を殺したことにより初めて訴追された


Robert Johns,

アメリカ鳥類保護協会(ABC) プレスリリースより和訳

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(2013年11月22日: ワシントンDC発)

米国司法省(DOJ)は、今日、ワイオミング州のデューク・エネルギー社の、風力発電施設の開発による14羽のイヌワシと149羽のその他の保護鳥の死に関する訴訟で、罰金と野鳥への安全対策を合わせて百万米ドルにのぼる対策を取ることで決着したと発表しました。これは、風力発電会社の鳥の死に関連する初めての訴訟です。

 「これはDOJによる歓迎すべき行動で、私たちが待ち望んでいたことなのです。」とアメリカ鳥類保護協会(ABC)の会長ジョージ・フェンウィック博士は言いました。ABCはアメリカの主導的野鳥保護団体の一つで、以前から連邦政府がより強力に風力発電産業を管理すべきであると唱導していました。「風力エネルギーが数十万羽の鳥を殺しているとすれば環境に優しいものとは言えません。私たちは風力発電そのものには賛成していますし、代替エネルギー賛成派ですが、その開発には‘鳥への配慮(Bird Smart)’が必要です。このケースに見られる目に余る法律違反が広範囲に広がっているというのが残念ながら現実なのです。」

 「今日発表された法の執行行為は、政府が譲ることのできない一線を示した初めてのことです。」とABCの‘鳥に配慮した風力発電キャンペーン’のコーディネーターマイケル・ハッチンス博士は言いました。「風力発電産業の境界は任意のものなので、これは企業が野鳥保護法に対してリップサービスを行い、実際には自分たちのやりたいようにやることが出来るという意味です。連邦政府や州の生物学者のアドバイスを明らかに無視した設置場所の良くない風力発電計画があり、また今も計画されているのですが、生物学者には企業が計画をそのまま進めてしまうのを阻止する方法が殆どありません。」

今回の告訴は、2009年から2013年の間に起きたデューク・エネルギー社のコンバース郡での‘キャンプ・ヒル’と‘トップ・オブ・ザ・ワールド’風力発電プロジェクトによる14羽のイヌワシと、タカ類、クロウタドリ、ヒバリ、ミソサザイ、スズメなど149羽の保護鳥が殺されたことの発見に端を発しています。この二つの風力発電プロジェクトは、個人の農地に176台の大型の風力タービンを設置するものです。

ABCは、多くの機会を捕えて風力発電会社を渡り鳥保護条約と‘ハクトウワシ・イヌワシ保護法’違反による告訴を求め、その中には議会および米国魚類野生生物局(FWS)とDOJ双方の役人への要求も含まれています。

「全ての風力発電は或る程度は鳥を殺すでしょう。残念ですがこれは避けられないことです。しかしながら、ある地域は他の場所よりも悪いということがあり、私たちはどこがその可能性があるかということを予想できます。」とハッチンス博士は言いました。「ワイオミング州のデューク・エネルギー社の風力発電設備の問題はどこにでもある問題と非常に似ています。風力発電設備による鳥への影響を緩和したり、埋め合わせをするための適切な計画なしで建設されているのです。」

 プロジェクトの特定の環境アセスメントの代わりとなるものではありませんが、ABCは風力発電設備の設置場所に関する一般的なガイダンスを提供するためのリスク・アセスメント地図を作りました。鳥へのリスクが低い地域での風力発電プロジェクトの方が、‘生息地バンキング(habitat banking)’などのプログラムによる影響緩和や埋め合わせを行うよりも安上がりであるようです。

 2010年にエネルギー省は米国のための再生可能エネルギー計画を発表しましたが、これは2030年までに風力発電の能力を現在の12倍にすることを求めたものでした。一方、2009年に風力発電の犠牲になった鳥は44万羽と推定されました。2012年にはショーン・スモールウッド博士による新しい推定では風力発電は60万羽近い鳥を殺していると示唆しました。

 「現在の風力発電によりおよそ50万羽もの鳥が殺されているというのは深刻な数値ですが、強力な設置場所と操作のガイドラインなしで、米国内で現在の12倍もの風力発電設備が完成した暁には一体あと何羽の鳥が殺されるでしょうか?」とハッチンス博士は問いました。「風力発電産業も他の利益を目的とするエネルギー産業と同様に扱われるべきです。渡り鳥のフライウェイや保護鳥や変化に弱い環境がある場所を避けるなど、風力発電所の開発には制限を課することが必要だと私たちは考えています。」

 2012年3月、米国魚類野生生物局(FWS)は風力発電の支持者に支配されている連邦風力発電諮問委員会の相談を受けて、風力発電産業のための任意の作業及び立地ガイドラインを発表しました。その3か月前の2012年12月に、ワシントンDCの公益法律事務所メイヤー・グリツェンスタイン&クリスタル(MGC)の助けを受けて、ABCはFWSに対して公式に強制的風力発電認可システムの制定を請願しました。このシステムは、風力発電の開発には適切な場所で、適切に運営され、被害を緩和することを確実にし、その費用をカバーするために認可料を伴うものです。もし採用されれば、このシステムは被害の大きい風力発電所の開設を阻止し、その一方で、ある程度の緩和策と合わせて被害の少ない発電所を認めるものです。これに従い、150以上の団体と2万人の一般市民が集まり、内務省に対して任意のガイドラインではなく強制的基準を求めるABCのキャンペーンが続きました。参加団体にはシエラクラブ、コーネル鳥類学研究所、アメリカ・バードウオッチング協会および多くの州のオーデュボン協会が加わっています。

ABCの‘鳥に配慮した’風力発電活動はニューヨークに本部を置くレオン・レビイ基金からも惜しみない支援を得ています。

アメリカ鳥類保護協会(ABC)は501(c)(3)による非営利会員団体で、その使命はアメリカ全土でアメリカ産の鳥とその生息地を保護することにあります。ABCは希少種を守り、生息地を保全・再生し、脅威を減ずると共に、鳥類保護運動の能力を構築することにあります。

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