珍しく標識の付いたヘラシギが渡りの途中で観察された

このヘラシギはロシア北東部で標識が付けられ、現在中国で観察されています。
写真提供:Michelle and Peter Wong

8月末、滅多に見られない標識の付いたヘラシギが渡りの途中で上海の北の如東(Rudong)の干潟で観察されたとの報告がありました。

この絶滅危惧ⅠA類の鳥は、足に黄緑色の‘01’と記された標識が付いていたので、今年の夏、繁殖地で‘バード・ロシア’の科学者が装着したことが特定されました。

保護活動家は、この鳥‘ライム01’は今夏6羽の雛の父親になり、そのうちの3羽は人の手で育てられ、3羽は鳥が自分で育てたことを知っています。

この夏、人の手で育てられた16羽のヘラシギの雛と、8羽の成鳥に黄緑色の標識が装着されました。バードウオッチャーには全てのヘラシギの観察報告が求められています。

如東(Rudong)干潟は中国一のヘラシギの中継地として知られており、去年の10月にはここで106羽が観察されました。一方、上海から150kmしか離れていないこともあり、この地方での土地の需要は高く、干潟はDonglingから南端にかけては既に干拓が行われています。

Nikolai Yakushevと一緒にヘラシギを捕え標識を付けたバード・ロシアのPavel Tomkovichは「私たちが‘Lime 01’に標識を付けた時には、誰かが地球のほぼ4分の1を旅するこのヘラシギを見つけることがあるだろうかと疑いました。ヘラシギを見つけることそのものが、藁の中の針を探すのと同じだからです。ですから、この特別の標識を付けた僅か8羽の成鳥を見つけるのは、なお一層困難なのです。地元のバードウオッチャーからの報告のお蔭で、私たちはヘラシギの中継地についての知識を深めています。」と言いました。

‘Lime 01’は8月4日に繁殖地を離れ、8月31日に5千キロ離れた如東(Rudong)で観察されました。ヘラシギは一日に千キロほど飛行できるので、この3週間にはどこか別の中継地に居たのでしょう。

‘中国のヘラシギ’チームのZhang Linは「約2週間前に如東(Rudong)に最初のヘラシギが到着して以後、私は如東の上げ潮時の塒で増加して来るシギ・チドリ類の数を定期的に数えていました。8月31日に黄緑色の標識を付けているように見えた1羽のヘラシギを発見した時に、私は目の前に興奮させられる何かが居ることを知ったのです。近くから詳しく調べてこれが‘Lime 01’であることが分かりました。2013年に標識が付けられた鳥の一羽が中国で発見された最初の例だったので大喜びしました。」と言いました。

「この小さな、絶滅危惧ⅠA類の鳥がどのようにロシアと中国の間のフライウェイ沿いの重要サイトを結んでいるのかを実際に目で見るのは驚くべきことです。これはヘラシギを守るための活動が役立っているかどうかを追跡することが出来るので非常に重要です。」

中国のヘラシギの重要な2ヶ所の中継地である如東(Rudong)と岷江(Minjian)河口を保全するバードライフのプロジェクト‘中国のヘラシギの湿地を守ろう’はウォルトディズニー社から10万ドルの助成金の支援を受けています。

 

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