地球を救う自然のための計画

コクモカリドリ 写真提供:© Bjorn Olesen

2020年10月に、世界のリーダー達が地球上の自然の命運を決める新しい生物多様性目標を討議するため、中国に集まります。今週、目標の草案が発表されました。以下に、自然保護のために重要な転換点について知っておくべきことを、ご紹介します。

2020年は自然、気候、人類にとって極めて重要な年です。10月には、世界の指導者が地球上の生態系の命運を決める新しい生物多様性目標を討議するために集まります。中国の昆明市で各国の政府は、現在目の前で進行している自然の壊滅的な喪失を回避するため、2030年までに各国が取るべき世界的行動について合意する予定です。この会合は2015年のパリ合意が気候危機に対して重要なものであったと同様に、絶滅危機に対して重要なものになるはずです。そして、気候と自然は密接に関連しているので、生態系を保全するための目標は世界の気温上昇を1.5℃以下に保つことに貢献するでしょう。

2020年1月13日(月)、CBD(生物多様性条約)は、各国政府が討議し採択すべき提案目標の概要を示す世界の生物多様性の枠組みの草案を発表しました。この草案は政府、自然保護活動家双方から警戒されながらも歓迎されており、また環境運動家はこれらの目標は目指すべき受容可能な最低のレベルであるべきだと強調しています。以下は、自然保護のためのこの重要な転換点について知っておくべき事です。

内容:CBD主催による2020年度国連生物多様性会議

時期:2020年10月

場所:中国、昆明市

誰が:会議には、ほぼ全ての世界政府の代表団および自然保護団体、先住民、地域コミュニティ、特に女性と若者グループなどの市民社会の代表者が参集します。

理由:各国はこの10年間、2010年の愛知で合意した目標を全く達成できずにいます。地球は今多くの科学者が言及する第6次大量絶滅期に直面している可能性があることから、地球上の生命の全てを支えている自然生態系を守るために、次の目標は現実的且つ効果的で、容易に測定できるものであることが必要です。

2020年国連生物多様性目標の主要な注目点

2020年1月の生物多様性枠組みの草案は、2030年までに達成すべき20の行動志向型目標の概要を示しています。これらは“生物多様性が尊重され、保全され、復元され、賢明に利用されて、全ての人々にとって不可欠な生態系サービスを維持し、健全な地球を保持し、利益をもたらす”世界を実現するために、2050年までに達成すべき5つの長期目標に貢献するでしょう。

草案の中の目立つ点の一つは、淡水性、海洋性および陸地の生態系の健全性を20%高めるという長期目標を達成するために、2030年までに世界の約3分の1の海洋と陸地を保全する必要があるということです。これは生物多様性の最重要なサイトに集中することにより達成されるでしょう。正にバードライフの活動に直接関連するテーマです。バードライフは世界のKBA(生物多様性重要地域)のネットワークを特定する上で重要な役割を果たし、保護活動のための設計図を提供します。

しかしそれは、特別なサイトを守るだけではありません。草案では、生物多様性の価値は企業、政府、産業を含むすべての部門に統合されるべきだと述べられています。また2030年までにすべての野生種の売買は合法的で持続可能なものでなければならないとも述べられています。

これらのことは、人々を巻き込まずには何一つ達成できません。多くの目標は、持続可能な資源の利用、利益の共有、脅威への取り組み(廃棄プラスチックによる汚染および過剰栄養物の50%削減など)および生活の質的改善を通じて、人々の要求にこたえることに関連しています。自然を守ることにより、この計画は気候変動に対する自然を活用した解決策の強化、大多数の人々のためのきれいな水の供給、および先住民族のコミュニティ、若者、女性の公平な参画を 目指しています。

報告者:Jessica Law

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