アゼルバイジャンで水鳥が越冬する湿地が危ない
アゼルバイジャン鳥学会(AOS: アゼルバイジャンのパートナー)からの報告のように、バードライフによりIBA(重要生息環境)に指定されているHajigabul湖とレッド湖の同国で最も重要な湿地の二つが危機にあります。
アゼルバイジャンの53のIBAのうちの21カ所は湿地です。毎年100万羽以上の水鳥がこれらのエリアで越冬し、およそその10倍が渡りの時期に同国を通過します。
アゼルバイジャン最大のHajigabul湖の水位は低下してしまい、その結果、魚資源は完全に消失し、カモやカイツブリなどの遊泳性水鳥の数も著しく減少しました。
「これは環境的大惨事です。湖の塩分濃度は海と同じレベルにまで達しており、これは明らかに異常なことです。」とAOSの理事Elchin Sultanovは説明しました。
これらの問題はソビエト時代のダム建設と同じ時期のクラ川からの水供給が止まったことと関係しています。2012年の夏、アゼルバイジャンの大統領が湖を訪れ、この地域を修復する特別計画を発表しましたが、その後の進展がありません。
同国のもう一つの危機にあるIBAはレッド湖です。以前はカスピ海の一部であった湖の小さな部分がまだ残っています。およそ800羽のカオジロオタテガモが以前は同湖で毎年越冬していましたが、もう居ません。2005年にアゼルバイジャン政府は卸売市場建設のために湖の干拓を決定し、その結果、湖は小さくなり僅か数百羽の水鳥がここで越冬するだけになりました。
「このサイトは首都バクーの中心部から近いのでバードウオッチング・ツーリズムにとって大きな可能性のある場所です。しかし経済的利益がこの湖の劣化を招き、私たちはこのIBAを遠からず失うことになります。」とSultanovは言いました。
報告者:BirdLife Europe