アレン岩礁IBAでネズミが居なくなったことが公表され、ミズナギドリが回復の兆しを示している
セグロミズナギドリ(写真)の重要な繁殖地であり、島の名が冠された固有のイグアナの生息地であるバハマ諸島のアレン岩礁が外来種のハツカネズミから解放されたと宣言しました。ハツカネズミは両種にとって脅威だったのです。
「この発表はアレン岩礁の復活の重要な画期的出来事で、私たちはこの成功を外来種の被害を受けている他の島々でも再現することを計画しています。」とバハマ国立トラスト(BNT: バハマのパートナー)の会長エリック・カレイは言いました。
この岩礁ではBNT,島嶼コンサベーション、アーラム大学のジョン・イヴァーソン博士、カリブの鳥の保護・研究協会のウィル・マッキン博士らのパートナーシップによりネズミの駆除が行われました。
アレン岩礁は3つの岩礁からなるアレン岩礁IBAの一つで、ナッソー(バハマの首都)の南東60kmに位置する北Exuma諸島に属します。このIBA(重要生息環境)はバハマで3番目に大きなセグロミズナギドリの繁殖地であり、また絶滅危惧ⅠB類のアレンケイ・ロックイグアナの生息地です。
不用意に外来種のハツカネズミを移入したことが、通常は渡りの途中に立ち寄るだけのメンフクロウの個体数を人工的に増やしてしまい、彼らはネズミを食べるために島に留まるようになり、ネズミだけでなくミズナギドリやイグアナも食べてしまいます。ネズミのいない近隣の岩礁と比べて、アレン岩礁ではミズナギドリの死亡率が2倍になっていました。
2009年にパートナーは集中的な計画、野外実験、社会への奉仕活動を始めました。バハマの環境省も2012年4月にこのプロジェクトを認可した結果、翌月にはネズミを除去することが出来ました。
今年6月の初めにパートナーはアレン岩礁を訪れ、ネズミが居なくなったことを確認したほか、島の生態系が回復しつつある初期の徴候を認めました。最初の発見はミズナギドリの死亡率の大幅な減少を示唆しています。
ネズミの駆除はアレン岩礁の自然環境を回復する大きな計画の一部です。ネズミの再移入のリスクを最小限に止めるために、BNTはバイオセキュリティ計画をレクリエーションのボート乗りや釣り人と一緒に策定する予定です。
「外来種はカリブ海諸国の豊かな生物多様性に対する主要な脅威です。」とバードライフのカリブ海プログラム部長のデービッド・ウェッジは言いました。「この地域で外来種駆除の技術を地元のパートナーに作り、実行者を訓練することにより、カリブの在来種を恒久的に保護するために私たちは島の再生への能力を強化している所です。」
資金支援は魚類・野生生物基金の野生生物のためのオイル回収基金が行っています。またチャーター船の運航者パワーボート・アドベンチャーとジョンG水族館も巨額の寄付を行いました。