身近な場所に隠れていた: 新種の鳥が首都で発見された

新種は人口密集地で発見された
写真提供:Jonathan C Eames

野生生物保護協会(WCS)とバードライフ・インターナショナルおよびその他のグループの研究者チームが、顕著な羽衣と大きな声を有し、離れたジャングルではなく人口150万人の首都に生息する新種の鳥を発見しました。

カンボジアサイホウドリ(学名:Orthotomus chaktomuk)と命名されたこの鳥はこれまで記述がなく、都市化が進んだカンボジアの首都プノンペンと建設現場を含む町から僅かに外側の数カ所で発見されました。

科学者たちはこの新種の鳥をオリエンタル・バード・クラブの機関誌「Forktail(エンビシキチョウの意味)」の特別オンライン版に掲載しました。

この頭頂が赤褐色で喉が黒い、灰色のミソサザイ大の鳥はプノンペン市内や氾濫原の密生し湿気のある低地の雑木林に生息しています。学名に付けられている‘chaktomuk’はクメールの古語で4つの面を意味しますが、完璧に本種が見つかった場所を表しています。この場所はトンルサップ川、メコン川、バサック川の3河川の合流点で,プノンペンの中心地です。

プノンペンには氾濫原雑木林は断片的に残っているだけですが、プノンペンの境界の少し外側には大きな面積で残っており、そこにはカンボジアサイホウドリが多数生息しています。けれども、論文の著者たちは本種の生息地は減少しつつあり、農業や都市の拡大が鳥と生息地に今以上に影響を及ぼす可能性があると言っています。バードライフはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストのために本種の保護の状況を査定する予定です。

この繁った環境がこれほど長い間本種を隠してきた理由です。論文の主筆者WCSのサイモン・マフードは同じWCSの共著者のアシッシュ・ジョンがプノンペンの工事現場で本種の写真を撮った時に新種の調査を始めました。当初は海岸に生息するサイホウチョウの一種と考えられていました。写真に写った鳥は最初同定が出来ませんでしたが、更なる調査で完全に未知の種であることが明らかになりました。

「家から30分以内だと言うまでもなく、人口の多い都市の境界内で未知の鳥を発見したというのは特別なことです。」とマフードは言いました。「今回の発見は新種の鳥が良く知られた、予想外の場所で発見される可能性がまだあることを示しています。」

最近の20年間にインドチャイナ地域からの新種の鳥の数が急増しており、この多くは離れた場所への調査が進んだことによります。新規に記述された鳥にはベトナムの孤立した山々からの様々なチメドリ類、ラオスの風変わりなハゲガオヒヨドリ(和名仮称)、WCSその他のパートナーが2001年に初めて記述したメコンセキレイなどが含まれます。

共著者のバードライフ・インターナショナルのOBEジョナサンC.イームズは「近年になって発見された新種の鳥のほとんどは絶滅の危惧があるか保護の懸念がある種です。これは地球上の生物多様性が危機に面していることを明らかにしている証拠です。」と言いました。

 

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