カナダの石油会社がオカバンゴ盆地の石油採掘を停止、バードライフ・インターナショナルは石油掘削の一時停止を呼びかけ

オカバンゴ・デルタを飛翔する鳥 © Amaryllis Liampoti

オカバンゴ盆地は、何十万人もの人々に飲料水を供給し、ユネスコの世界遺産やラムサール条約湿地にも登録されています。

 

カナダを拠点とする石油・ガス会社ReconAfricaは、2021年からナミビアのカバンゴ地方で石油採掘を行ってきましたが、同国でのすべての操業を一時停止しました。

 

ReconAfricaは、ナミビアのカバンゴ地方とボツワナのオカバンゴ・デルタにまたがる、13,200平方マイルの土地を借り上げています。

バードライフ・インターナショナルやRe:wildを含む他の国際団体は、オカバンゴ川流域での石油採掘の即時停止を求めて声を上げる社会組織、地域コミュニティ、地元活動家を長年支援してきました。

 

「この操業停止は集団の力を示しています」と、2021年のReconAfricaの石油採掘についてサセックス公爵ハリー王子と論説を執筆したナミビアの活動家、Reinhold Mangundu氏は言います。「地域コミュニティや熱心な自然保護活動家たちが表明した懸念は、決して根拠のないものではありませんでした。彼らは、野生生物、水路、そしてこの土地を故郷とする人々の生活と夢ある未来に迫る危機を認識していたのです。今この瞬間も、私たちに持続可能で責任ある行動を優先し、人と自然が調和し共存できる未来を思い描いています。この出来事が政府にとって、公正で持続可能な未来への新たな選択をするための警鐘となりますように。変革のきっかけはすぐそこにあり、地域の人々の幸福と生物多様性が繊細に織り成され、何世代にもわたって保全されるよう、私たちは新たなパラダイムを通じて仕組みを作り上げる必要があるのです。」

 

ReconAfricaの石油採掘は、ナミビアで論争に巻き込まれています。2022年7月、ナミビアのカバンゴ地方の地域コミュニティは、ReconAfricaを相手取って同国の高等裁判所に提訴し、環境観光大臣に同社の環境アセスメント証明書の見直しまたは取り消しを求めました。

 

しかし、地域コミュニティの要求は却下され、彼らは政府とReconAfricaの弁護士費用(総額35,000米ドル)の支払いを求められる可能性があります。

 

ナミビアのEconomic and Social Justice Trustの評議員であるRinaani Musutua氏は「ReconAfricaは、内部関係者が数千万ドルの儲けを手にした後に撤退しようとしています。彼らは協力者を得られない限り、再び掘削する余裕はないと言っていますが、こんな評判の悪い会社と誰が組むというのでしょう?同社はナミビアの法律を軽んじ、人々に尊厳をもって接していません。政府は、ReconAfricaが有毒廃棄物ピットの清掃費用を賄うための保証金を必ず支払い、被害を受けた家族に補償するよう保証しなければなりません。」と言います。

 

2021年、ナショナル・ジオグラフィックは、ReconAfricaが森林地帯を更地にし、ナミビアの生態学的に脆弱なオカバンゴ地域の保護区域であるKapinga Kamwalyeコミュニティ保護区内で掘削を違法に進めたと報じました。この掘削は、法律で定められた地域コミュニティの土地委員会への相談なしに行われました。

 

市民社会組織や活動家は、ReconAfricaの試掘による廃水が、ボツワナのオカバンゴ川とオカバンゴ・デルタの上流にある地下水、そして浅瀬の河川を汚染する危険性があると懸念を表明しています。オカバンゴ川とオカバンゴ・デルタは、25万人以上の人々に飲料水を供給している地域でもあり、かつ気候変動と生物多様性損失の危機によって悪化している干ばつに特に見舞われやすい地域でもあります。

 

さらに、何百種類もの野生生物がオカバンゴ・デルタを構成する河川に依存しており、Key Biodiversity Areasでもあるこの地域は、地球の生物多様性の存続にとって極めて重要です。また、デルタ地帯は河川の末端に位置し、海への流出はほとんどありません。このため、この河川からデルタに流入した汚染物質を除去することは不可能であり、豊かな生物多様性と地域コミュニティが依存する脆い生態系を著しく不安定化させる可能性があります。

 

「アフリカやアフリカの人々、そしてアフリカの生物多様性にとって、持続可能な未来を計画し実現する必要性が、今ほど切迫しているときはありません。地球全体が、壊滅的な気候変動と生物多様性の危機の真っただ中にあり、私たち全員が影響を受けています。環境法を無視し、カバンゴの顕著な普遍的価値を危機にさらしているReconAfricaの侵入は、アフリカ全土の世界遺産とラムサール条約湿地が直面している脅威を浮き彫りにしています。石油採掘活動の一時停止は正しい方向への一歩ですが、この地域特有のかけがえのない遺産、すなわちあらゆる生物を支える手つかずの自然生態系を保全するために、オカバンゴ盆地における石油採掘の恒久的な中止を求めます。」バードライフ・ジンバブエのCEOであり、バードライフ・インターナショナル・アフリカン・パートナーシップ協議会(CAP)の議長であるJulia Pierini氏はこのように述べました。

 

「ReconAfricaがカバンゴ盆地での石油採掘活動を一時停止するという決定を下したことは歓迎すべきことです。地域コミュニティの窮状を無視し、生態学的に脆弱な地域を傷つけることは許されません。石油掘削は、2050年までに脱炭素化を目指す世界的な方向性とは両立しません。地域コミュニティと利害関係者によるReconAfricaに対する反対運動は、私たちが一丸となって自然を守ることを主張すれば、それを達成できることを示しています」と、バードライフ・インターナショナル・アフリカの政策・コミュニケーション・気候コーディネーターのKen Mwathe氏は述べました。

 

これからもバードライフは、オカバンゴ・デルタへの脅威を監視するため、地元の活動家や組織と協力していきます。

 

原文 “As Canadian oil company pauses oil exploration in Okavango Basin, BirdLife International calls for oil drilling moratorium

(本文を一部編集しました)

 

 

 

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