公式に保護をすればアフリカのIBAの自然に覆われた土地の喪失は減る

IBAの保全はアフリカでの自然保護に役立つ
写真提供:David Zellor; RSPB

バードライフ・アフリカ・パートナーシップとRSPB(王室鳥類保護協会: 英国のパートナー)の自然保護科学者により行われた新しい研究が、法的保護は保護が重要なサイト内における自然に覆われた土地の喪失を減らす上で効果的であるということのこれまでにないほど強固な証拠を与えました。

ケンブリッジ大学や、国連環境計画の自然保護モニタリング・センター、欧州委員会の共同研究センターなどの研究者も含んだこの研究では、IBA(重要生息環境)と生物多様性重要地域のうちから、保全が行われている場所といない場所を幾つかずつ選び比較をしました。IBAと生物多様性重要地域は類似した特徴を有しています。自然に覆われた土地の毎年の喪失率は、保全が行われた場所では、何も法的な保全がされない場所の半分以下でした。

これまでに行われた保護地域の有効性アセスメントは保護地域と非保護地域の間の変化を比較したものでしたが、結果を解釈するのが困難でした。環境喪失に影響を及ぼす可能性のある、標高、遠隔度合、アクセスのしやすさなどの他の要因に違いがあることが多かったからです。今回の研究では高解像度の人工衛星画像を分析するための専用の土地被覆変化のアセスメント・ツールが用いられました。

「私たちは20年以上にわたる自然に覆われた土地の変化率を45ヶ所の保護されたIBAと、これに対応する48の保護されていないIBA内における多くのポイントで比較してみました。その結果、保護地域における自然に覆われた土地の喪失率は非保護地域の42%でした。」とRSPBの上級自然保護科学者のグレアム・ブキャナンは説明しました。

ただし、保護されたIBAと保護されていないIBAの周辺20㎞の緩衝地帯の喪失率はどちらも変わりはなく、保護地域内からその外縁部への土地利用の変更の証拠もありませんでした。

2010年に生物多様性条約(CBD)の締約国は、2020年までに保護地域の被覆率を現在の13%から17%へ引き上げることに同意をしました。しかしながら、最近の推定によれば、この目標を達成し、世界で最も重要な生物多様性を有するサイトを保全するには年間760億米ドルの費用を必要とすることが示唆されています。このことは現在の支出のレベルを大幅に引き上げることを意味し、これを正当化するには生物多様性に悪影響を及ぼす土地被覆の変化を軽減する上での保護地域の効率性を数量化する必要があります。

「今回の研究は森林喪失だけ、個別のサイト、あるいはそれほど保護する必要性の高くない場所を含むなどの従来の保護地域の効率性を測る作業に基づいてそこから進歩したものです。私たちの出した結果は、提案されている世界の陸上の保護地域ネットワークの拡大は、特に目標が適切に設定されるなら、環境喪失を減らし、それにより生物多様性を守る効果的な方法であることを示唆しています。」とグレアム・ブキャナンは言いました。

 

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