気候変動と戦うために水鳥の生息地を保全

Hula渓谷保護区  写真提供:© Protasov AN

湿地、河口域、その他の水鳥にとって重要な生息地はどのように気候変動の影響を受けるでしょうか?新しい「気候変動に負けないフライウェイ・プロジェクト」は、気候変動の影響を最も強く受けるサイトを正確に示し、サイトと重要な機能を守るために国や組織を一つにします。

 

湿地は、花咲く草原や青々とした熱帯雨林などの絵ほどには美しくないかも知れませんが、重要でないということにはなりません。炭素の貯蔵や極端な気象現象に対する緩衝器として機能していると共に、湿地は数千羽の水鳥が海岸や大陸に沿って渡りをする時の重要な休息や採餌をする場所なのです。そのため、ラムサール条約では鳥の重要な生息地ネットワークの維持を助けることで、水鳥の保護を目的としています。

この目的に向かって活動する中で、国際湿地保全連合は各国政府、大学、バードライフを含む自然保護NGOと共同で「気候変動に負けないフライウェイ・プロジェクト(CRF)」を策定しました。CRFプロジェクトは、アフリカ・ユーラシア・フライウェイ沿いの水鳥にとって不可欠な環境の脆弱性を査定し、マリのニジェール内陸デルタとエチオピアのアビヤタ湖での国およびサイトにおける実証プロジェクトを支援しています。

これらの「重要なサイト」の脆弱性を理解することは、保全と気候変動に対する耐性の確保に繋がります。このプロセスを促進するためにCRFプロジェクトは「重要サイト・ネットワーク・ツール2.0(CSN)」を開発しました。これはラムサール基準2と6を用いて気候変動の影響に起因する水鳥への適正査定のために、将来の湿地の健全性を予測するものです。「この予測を行うためにCSNはバードライフが特定したIBA(重要生息環境)や、バードライフが鳥類部門の世界的権限を持っているIUCNのレッドリストなど一連の水鳥に関するデータセットを利用しています。」とバードライフの気候変動プログラムのコーディネーターAshton Berry博士は話しました。

ドイツ連邦議会が採択した決定に基づく国際気候イニシアティブからの資金支援を得て、CSNは淡水の流れと氾濫、水鳥個体群の分布および重要サイトを形成する湿地の予測情報を作成することにより、気候変動適応計画を推奨しています。

 

 

CSNツールは、2050年までにアフリカ・ユーラシア・フライウェイ沿いのラムサール条約湿地の少なくとも30%が危ぶまれると予測し、その価値を証明しています。特にアフリカにおいて憂慮すべき状態で、約60%のラムサール条約湿地に悪化する可能性がある一方で、改善する可能性があるのは1ヶ所だけです。これらの湿地の悪化は、気候変動の地元及び遠隔地での影響により水鳥の個体群の重大な減少と関連するのです。脆弱なサイトの多くは乾燥地および半乾燥地にあり、そのような場所は降水量の僅かな変化で大きな影響を受けることがあります。

「私たちは取水率を下げるなどの対策により、持続可能な管理の導入やフライウェイ全体での包括的で一貫した湿地の保全により、気候変動の影響を減らすことが出来ます。多くの場合、人と自然が求めるものを統合した自然を基盤とした解決策が、水鳥が利用するフライウェイ沿いの機能的な湿地のネットワークを保全する唯一の実行可能な選択肢です。」とCRFプロジェクトの総プロジェクト・マネジャーのMerijn van Leeuwenは話しました。

これらのツールに関してより詳しくお知りになりたい方は、国際湿地保全連合(Szabolcs.Nagy@wetlands.org)、またはバードライフ・インターナショナル(science@birdlife.org)にご連絡ください。

報告者:Ashton Berry

 

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