新報告:南アフリカの海鳥と猛禽類に深刻な減少

南アフリカの海岸で見られるクロミヤコドリ。同国内の他の鳥と共に、彼らの状況は新報告書で分析されています。

作成に5年間を掛けた新しい報告書が南アフリカ共和国の鳥の健全度とその生息地に関する概略が述べられ、幾つかの気掛かりな傾向と統計結果を強調しています。

世界最大の鳥ダチョウから超小型のキバラアフリカツリスガラまで、南アフリカは目を見張るような鳥類の多様性を誇りにしています。しかし、バードライフ南アフリカが行った新調査によればここ数年は同国の鳥にとって優しいものではなく、多くの種は減少しており、南アフリカから消える危険性のある種の数がむしろ増加しています。

作成に5年を要した「2018年版南アフリカの鳥の状況」に関する報告書は、同国の鳥とその生息地の保全状況の概要を描くために、国内における調査とモニタリング・データを使用しています。残念なことにこの調査はいくつかの困った傾向の概要を述べています。全体として同国の856種の鳥のうち132種が危惧または準危惧種で、更にそのうちの13種が絶滅危惧ⅠA類でした。

 

南アフリカの鳥の状況

海鳥の状況が特に深刻で、27種がいずれかの段階の危惧種となっています。その中の1種ゴウワタリアホウドリは世界的な絶滅危惧ⅠA類で、その他の3種コシジロウミツバメダマラアジサシ、スグロムナジロヒメウの亜種Crozet Shagが、南アフリカ国内での絶滅危惧ⅠA類です。合計すると南アフリカの危惧種、準危惧種の3分の1が海鳥です。これは他の鳥類のグループのどれよりも、海鳥の減少度合いが大きいという世界的な傾向を映し出すものです。

その理由の一つが、海鳥は特に人間の干渉に対して脆弱だということがあります。海鳥の繁殖周期の長いこと、外来の捕食動物に対する脆弱性、釣り糸や漁網に絡まる危険性などの全てが保護活動家にとって極めて憂慮されることです。

今回の調査では懸念すべき猛禽類の減少についても示されています。ハゲワシ類のうちの6種が南アフリカの絶滅危惧ⅠA類、また、同国の猛禽類のうち4分の1以上が危惧種あるいは準危惧種と考えられています。心配なのはハゲワシ類の急減は、東および西アフリカ地域からのデータにも反映されていることです。あるケースではハゲワシが毒殺された野生動物の肉(ブッシュミート)を食べたことにより次々に死に、別のケースでは彼らは都市化により生息地と食物の両方を失っています。

 

生息地の状況は?

鳥類の状況調査に加えて、この調査では生息地の状況も調べました。南アフリカには砂漠から海洋まで10の異なるバイオーム即ち、生態系のタイプがあります。バイオームによっては、他のバイオームよりも多くの種が生息します。例えば「サバンナ・バイオーム」の緩やかに波打つ草原には、南アフリカの鳥の77%の種が生息する一方、砂漠では18%しかいません。

幸に「サバンナ・バイオーム」の保全状況は極めて良好で、その20%が保全されており、将来その拡大が計画されています。けれどもその他のバイオームの多くも同様とは言えません。ダチョウやホロホロチョウなどの多くの地上にすむ鳥が生息する、小灌木が特徴的な砂と岩の地域Nama Karooは0.47%しか保全されていません。

 

報告者:Margaret Sessa

 

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