欧州議会のアプローチ: “2歩後退して1歩前進”

3月13日、欧州議会は今年の重要政策のうちの2つについて採決を行いました。今後7年間のEUの予算と、そのうちの40%を占める共通農業政策(CAP)です。欧州議会議員(MEP)は予算に関する欧州理事会の政策を勇気を持って拒否しましたが、CAPの真の改革に対する投票を行う段になると度胸を失ってしまったようでした。

3月13日(水)はMEP全員がCAPの改革に関して投票が出来る初めての機会でした。午前中の投票では、MEPはEU予算の決議に対してフェアで論理的で明確でした。ところがそれとは反対に、午後に行われたCAPについての投票は混乱、矛盾およびより持続可能な農業への支援の根本的欠如を露呈しました。

実際に、CAP改革についての投票は危うく一層悪いものになるところでした。前日に欧州議会の農業委員会は臨時会議を開き、どの改革を全体会議の議題から外し先延ばしするかを決めようとしたのです。幸いにも農業委員会は寛大にも民主的なプロセスを認め、全員が投票できることを認めたのです。

今回の改革ラウンドには幾つかの前向きな側面がありました: 欧州議会は最終的に二重の資金提供(同一の環境保護対策で補助金を2回もらうこと)は違法であり、クロス・コンプライアンス(EU法に抵触した農家への制裁を解除し、CAP補助金を続けて受けられることを認める)を再導入し、農業委員会が提案したグリーンウォッシング(上辺だけの欺瞞的な環境訴求)の最悪な例の幾つかを拒否しました。

マイナス要素のリストは長い: 欧州議会はグリーン化を義務ではなく任意とし、欧州で最も価値がある一方で脆弱な農業システム(高度自然価値HNV農業システム)への支援を拒否しました。さらにクロス・コンプライアンスでは既存の法律にある幾つかの重要な要素が拒否されました。その中にはCAPが気候変動に貢献できる要素である湿地やカーボンを多く含む土壌に関する法律などがありました。

「欧州議会は農業委員会からの最悪な改革案の幾つかを抑えはしましたがわずかのダメージ抑制が出来ただけです。」とバードライフ・ヨーロッパの農業・バイオエネルギー政策オフィサーのTrees Robijnsは言いました。「議会から今日提出された原文は、田園地帯の危機に対処をせず、EU予算の40%がCAPに使われることを正当化しない機能不全とも言えるCAPの問題を残したままでしょう。」

 

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