地中海沿岸での効果的で協調的な渡り鳥保護イニシアティブを実現させよう

地中海を渡る渡り鳥はこの新しいイニシアティブの恩恵を受けるでしょう。
写真提供:vic_206; flickr.com

‘地中海におけるフライウェイ保全のための能力構築’はMAVA自然基金の支援を得てバードライフが行う重要な新プロジェクトです。このプロジェクトの目的は、強力かつ前向きでダイナミックなNGOのネットワークの構築を通して、地中海沿岸地域における渡り鳥のアフリカ=ユーラシア・フライウェイでの保護に長期的な成果を上げることです。

地中海沿岸地域はアフリカ=ユーラシア・フライウェイの中心に位置し、年に2回数億羽の渡り鳥がここを通ります。しかし、多くの重要な中継地や非繁殖サイトが深刻な脅威を受けており、狩猟や罠猟はコントロールが出来ず、また新たに電力インフラ(風力、太陽光発電および送電線の敷設)の拡大により飛翔性鳥類の衝突死と感電の脅威が生じています。さらに保護活動への政治的また市民からの支持の欠如や一部の国での強力な狩猟と罠猟文化がこの地方の現状を作り出しています。

能力開発
このプロジェクトの主な焦点はアフリカ=ユーラシア・フライウェイ沿いの重要な種、サイトおよび生息地を効率的に保護する活動を行っている8つのNGOグループを強化することです。参加国および団体は以下のとおりです: トルコ(Doga Dernegi)、レバノン(レバノン自然保護協会)、キプロス(バードライフ・キプロス)、マルタ(バードライフ・マルタ)、マケドニア(マケドニア生態学会)、モンテネグロ(モンテネグロ鳥類保護・調査センター)、モロッコ(Groupe de

バードライフ・インターナショナルのパートナーシップ・キャパシティ・コミュニケーション担当理事のヘーゼル・トンプソンは「特にこのイニシアティブは、これらの国々でのフライウェイ保全のために能力を強化して自立できる組織の構築を目指しています。またイニシアティブは参加NGOが主要サイトにおいて保護イニシアティブを率いるために地元のキャパシティを構築することにより、地域保護グループ(LCG)と共に活動することを支援します。」と言いました。

このプロジェクトは電力設備による鳥への脅威を減ずるために電力会社と共同で活動します。
写真提供:RSPB

地中海沿岸域での渡り鳥への脅威を減らすこと
このイニシアティブのもう一つの目的は地域内での渡り鳥への脅威を減らすために参加NGOが行う保護活動を支援することです。この目的に対してバードライフは、密漁や渡り鳥への電力設備の影響を減ずるための電力会社とのかかわり、および渡り鳥の特定の中継サイトに重点を絞って参加NGOを支援します。

地域的な協力・共同活動の強化
最後にこのプロジェクトは、地中海地域全体でのフライウェイ保全のために知識の交換を進め、地方レベルでの保護活動の協調を促進することにより、その成果を確固たるものにするでしょう。実際、フライウェイ保全の成功にはすべての参加組織が協力して保護活動、アドボカシー、キャンペーン・イニシアティブを行う必要があります。保護活動を協力して行うことは渡り鳥の保護には不可欠です。その点、バードライフは、世界的なフライウェイ・プログラムを通して、各国のNGOの能力構築と向上によりフライウェイの保全問題に取り組む世界的ネットワークという特別な地位にあります。

「渡り鳥への脅威は真の協力を必要とする正に共通のチャレンジ目標です。キプロスはこの共通プロジェクトでは最小国の一つですが、私たちは共通の財産である渡り鳥のためにこれらの問題に隣接国、非隣接国を問わず共同で取り組みたいと思います。」とバードライフ・キプロスのキャンペーン部長マーチン・ヘリカーは言いました。

MAVA基金
バードライフはMAVA基金のプロジェクトへの貴重な支援に感謝する次第です。1994年に設立された同基金のミッションは将来世代のために生物多様性保全のために有力な自然保護団体と共同で強いパートナーシップを組むことです。

MAVA基金のこのイニシアティブへの支援により、地中海地域の渡り鳥とその生息地が、各国のNGOのネットワークにより強く効果的で持続可能な保護プログラムを通して、保全されることが期待されています。

 

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