ハシボソヨシキリの保護に成功

さえずるハシボソヨシキリ
写真提供:OTOP(ポーランドのパートナー)

欧州でハシボソヨシキリの個体数が主として生息地の喪失により減少しており、水管理の変化によりこれが加速されています。ポーランド野鳥保護協会(OTOP: ポーランドのバードライフ・パートナー)は1990年代から既に本種の保護プロジェクトを始めており、保護対策は‘LIFEプログラム’で資金支援された二つの大きなプロジェクトに集中されています。

2012年にOTOPは国内でハシボソヨシキリの個体数調査を行いましたが、その際には藪の刈り取りなどの保護対策が行われている場所だけでなく、ポーランド全土のより小さなサイトでも調査が行われたのです。120人を超えるボランティアの多大な努力のお陰で、OTOPはこの調査でのオスの個体数を3,256羽と推定しています。この結果は2007年と2009年に行った個体数調査を上回るもので、個体数の減少に歯止めがかかったと考えられます。

他の欧州諸国と比較してポーランドのハシボソヨシキリの個体数は唯一安定していると考えられます。ベラルーシとリトアニアでは2012年に個体数が減少しました。幸いに、これら2国でも生息地の再生あるいは質の向上のための保護対策が取られています。ドイツでは数年間ハシボソヨシキリが観察されませんでしたが、3羽のオスがさえずる姿がオドラ渓谷下流域で観察されました。調査不足によりウクライナとロシアにおける本種の現状については今のところ分かっていません。

 

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