教育を通したサイチョウの保護

アカコブサイチョウ 写真提供:© Onrej Prosicky / Shutterstock

少し前まで、インドネシアのPoayato Paguat森林周辺の村では、サイチョウを食料として捕らえ、犀角を家の護符や飾りに利用していました。現在これらの村は、サイチョウという素晴らしい鳥の保護活動の最前線で戦っています。

アカコブサイチョウは、スラウェシ島(インドネシア)村周辺の庭にあるガジュマルやヤシの木に止まっているところをよく観察されます。彼らの赤と黄色のカラフルな犀角は、葉の緑色の中で目立ちます。これに対して用心深いカオジロサイチョウは、森林の近くにいることを好みます。2012年以後アカコブサイチョウもカオジロサイチョウも生息地の喪失、狩猟、山火事により急激に個体数が減っています。

以前は森林周辺の地元コミュニティの住民は、空気銃でサイチョウを捕らえていました。野鳥が彼らの食べ物の一部だったからです。多くの住民は犀角が悪運を防いでくれると信じており、これを家の飾りに使っていました。狩猟がこの地域のサイチョウの個体数に影響を及ぼした唯一の問題ではありませんが、個体数減少に大きな影響を与えました。

この問題に対処するためにバードライフ・パートナーのブルーン・インドネシアは、2014年に森林の境界にある村に焦点を絞って自然保護教育のプログラムを始めました。私達は、学生、宗教指導者、農民、政府の役人を結集して、Popayato Paguat森林の重要種としてアカコブサイチョウカオジロサイチョウ(共に絶滅危惧Ⅱ類)を選び、その重要性について地元住民に伝えるための、ターゲットを絞ったプレゼンテーションを行いました。このプログラムによりブルーン・インドネシアと地元コミュニティは主に林縁部をサイチョウの監視サイトに指定することに合意しました。

他のコミュニティのイニシアティブと共に、私たちの自然保護教育プログラムは大きな影響を及ぼしました。2016年以降、6つの村がサイチョウの狩猟と犀角を家に飾る行為を止めました。成人の村民が意識や行動を変えた大きな理由の一つは、子供たちからの圧力でした。彼らは犀角を飾る行為を批判し、鳥を撃つことは残酷だと指摘したのです。またサイチョウが種子を撒き、森林を再生する重要な役割を果たしていることが広く知られたことも起因しています。

コミュニティを基盤とした草の根運動として始まったこのプログラムは、その後さらに大きなものに育ちました。地元の保護活動グループのメンバーは、現在サイチョウ保護の広範囲なコミュニティに積極的に関与し、ブルーン・インドネシアは生物多様性保全の重要性を政府、研究者、市民社会に振興するために地方レベルでの活動を行っています。

私たちは20193月にゴロンタロ州の政府が、観光業のマスコットとしてサイチョウを選んだことを嬉しく思います。これにより、シワコブサイチョウとカオジロサイチョウの保護が急務であることが、広く一般に認知されることを期待しています。

報告者:Adi Widyanto, Burung Indonesia

 

 

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