バードライフのカンボジア・チームが名誉ある賞を受賞
何種もの絶滅危惧IA類の鳥を絶滅から救ったバードライフのカンボジア・プログラムが、この生物多様性の豊かな国の政府から名誉ある賞を受けました。
5種の絶滅危惧IA類を守り、重要な鳥の生息地を支援する10のプロジェクトが行われ、数え切れないほどの新しい保護区が指定されました。バードライフのカンボジア・プログラムはこの生物多様性豊かな東南アジアの国の自然景観を短期間のうちに再生させたたのです。彼らの長年にわたる献身的努力を認めてカンボジア政府が名誉あるメダルで表彰したのは驚くことではないかも知れません。
カンボジア・プログラムは、10年前に少人数の保護活動家が集まり、政府やその他の団体が共同で生息地と種の保全を進めるために開始されました。現在は自然保護の最前線で活動する50人からなる地元グループがこのプログラムを主導しています。
種の保全は彼らの主な活動の一つで、オニトキ、カタジロトキ、ベンガルハゲワシ、ハシボソハゲワシ、ミミハゲワシなどの絶滅危惧IA類が対象となってきました。
生息地の保全はこのプログラムのもう一つの主な取り組みで、カンボジア内の6箇所のIBA(重要生息環境)を支える10のプロジェクトがあります。今年の初めにカンボジア・プログラムは国境を越えた新しい野生生物サンクチュアリPrey Siem Pang Lech の創設で重要な役割を果たしました。このサンクチュアリは上記の絶滅危惧ⅠA類の鳥の生息地で、カタジロトキの世界全体の個体数の50%、オニトキの10%がこの場所に生息しています。バードライフによりIBAに特定されたメコン川下流の二つの重要な湿地もこのプログラムによって公式な保護区となりました。
昨年やっと、8年に及ぶ制度上の争いが解決し、水鳥の素晴らしい集団繁殖地プレック・トアルがラムサール条約による国際的に重要な湿地として認められました。プレック・トアルは東南アジア最大の水鳥の集団繁殖地ですが、何十年も続いた卵や雛の採取の結果、水鳥の数は減少していました。卵の採取人を活動に巻き込み、彼らを巣の監視人として雇うことにより、鳥と人の双方に役立つ解決策を見出すことができました。プレック・トアルの保全活動は今でも続けられており、このサイトには少なくとも10種の世界的絶滅危惧種を含む5万羽以上の水鳥が繁殖しており、その中には東南アジアで唯一繁殖するホシバシペリカン、世界の個体数およそ半分ものオオハゲコウや数千羽のコウノトリ類とヘビウ類も含まれます。
カンボジア・プログラムのチームは、保護区の宣言をするだけでなく、政府による保護区管理計画の策定を支援するなど、一歩進んだ活動を行っています。こうした活動により、保護区管理が適切に行われようにするのです。現在彼らは4箇所の保護区の管理を支援しています。
チームは、国内の社会的課題に尽力した団体に対してカンボジア政府が贈る名誉ある賞「Sahametreiメダル」の受賞に歓喜しています。環境大臣により推薦され、総理大臣が署名するメダルと証明書がプノンペンで行われた式典で授与れました。今回の受賞は、チームの疲れを知らぬ活動を示すものであり、カンボジアの素晴らしい自然資源を保全する活動を続けてゆくための新たな力を彼らに与えるものとなるでしょう。
報告者: Irene Lorenzo