気弱な人にはお勧めしない鳥13種
鳥類は動物界の中でも最も美しい翼を持つ生物の一つで、美しい羽毛や朝のさえずりで私たちを楽しませてくれます。けれども自然界には冷酷な面もあり、困難な環境の中で生き残るため、結果として人に全く異なる印象を与えるような適応や習性を進化させた種もいます。
今回はそんな鳥を13種紹介します。ただし、日陰に居ることの多いバンパイアフィンチは別です。
1.オオモズ Lanius excubitor
もし小型の哺乳類や鳥、カエルがいたら、目をそらしてください。モズ類は獲物を木の棘や枝や有刺鉄線に突き刺すことでよく知られており、これは強力な嘴で肉を切り刻みやすいように死骸を固定するための惨たらしいディスプレーなのです。あるいは、後々のために取っておいていることもあります。モズは空腹になった時のために突き刺した獲物を‘食糧貯蔵庫’に保管することでも知られています。
2.キタイワトビペンギン Eudyptes moseleyi
ペンギンはどれも人懐こく可愛いのでは?このペンギンは違います。悪魔のような眼をしたこの鳥は冠羽を持つペンギンの中で最小であるだけでなく、もっとも攻撃的です。魚や営巣場所やつがい相手を巡って戦うことで知られています。残念なことに過去30年の間に彼らの個体数は喧嘩が出来なくなるほどに減少しています。海水温の変化や漁業による混獲は脅威の一部に過ぎません。
3.ヒクイドリ Casuarius casuarius
この大型の飛べない鳥には恐ろしい能力があります。脅威にさらされると攻撃的になり、人を殺した事例がある鳥の一種なのです。彼らの蹴りは強力なだけでなく、内趾には短剣のような爪があり、非常に危険なのです。ただし、人が殺されたという最後の記録は1926年のことですから、恐らく恐ろしさが誇張されているに違いありません。バードライフはヒクイドリを絶滅危惧Ⅱ類に指定しています。その個体数は生息地の喪失、狩猟、車との衝突、その他の要因で、この40年間減少し続けています。
4.ズキンハゲワシ Necrosyrtes monachus
猫背、禿げた頭、死肉を好む習性のため、ハゲワシ類には死や腐敗、気の印象が付きまいます。けれども実際にはハゲワシは驚くほど清潔な生物なのです。事実、彼らが速やかにまだ汚れていない死骸を掃除するので、彼らは実際には狂犬病や結核などの致死性の高い病気の拡散を抑える働きをしているのです。悲しいことにハゲワシ類は記録上最も早く個体数が減っている種となっており、その速さはリョコウバトやドードーを凌ぐほどなのです。バードライフのハゲワシ保全の取り組みについて詳しくはこちら。
5.アフリカハゲコウ Leptoptilos crumenifer
この巨大なアフリカのコウノトリは死肉、ゴミ、そしてうっかりしているとあなたのカメラさえ食べてしまいます。
6.ワタリガラス Corvus corax
ディズニーからエドガ・アラン・ポーまで、この頑強で分布の広いカラスは永い間悪い兆候と関連付けられていました。けれどもワタリガラスは道具や論理的思考を使う能力があるほど最も頭の良い動物で、もし彼らが人間社会をひっくり返すつもりがあったなら、すでにやり終えていたことでしょう。
7.シロハラハイイロエボシドリ Criniferoides leucogaster
この鳥の大きく独特な鳴き声は、「ゴー・アウェイ(出て行け: 英名の Go-away-bird はこれに由来)!」と言っているように聞こえます。シロハラハイイロエボシドリの個体数は今のところ大丈夫なようですが、彼らはそれでも私たちの愛を必要としています。
8.ジャマイカタチヨタカ Nyctibius jamaicensis
可笑しな姿のお蔭でインターネットですっかり評判になった滑稽な姿の鳥の仲間タチヨタカをご覧ください。あなたのハロウィーンパーティーを台無しにするのは申し訳ないのですが、アマゾンの環境破壊が続いているために彼らの個体数は実際減少していると考えられています。
9.ハシビロコウ Balaeniceps Rex
巨大で独特の姿をした、コウノトリに似たこの鳥はアフリカの湿地で死んでいるかのようにジッと立ちつづけ、ハイギョやワニの子供などが気付かずに近づいてくるを待っています。一たび獲物を捕まえると、ハシビロコウは強大な木靴のような嘴で獲物の首を切り落とすのです。静かにしていない時には、ハシビロコウは機関銃を撃っているような不気味な声を出します。
10.ツメバケイ Opisthocomus hoazin
とても恐ろしげに見えませんか?多分、もう少し近くからご覧になりたいでしょう。けれども、南米の熱帯雨林を生息地とし、葉を餌とするこの種は、‘臭い鳥’としても知られています。鳥の中では変わり者で、ウシなどと似た消化システムを持っているのです。ですからツメバケイのご近所さんには気の毒ですが、牛糞肥料のような匂いがします。
11. オオフルマカモメ Macronectes giganteus
イカ!オキアミ!アザラシの死骸!ペンギンの死骸!死骸なら何でも! オオフルマカモメが食べない物などあるでしょうか?近付いてはなりません。「臭い奴(stinkpot)」として知られているこの巨大な鳥は、独特の防御システムを持っているのです。脅威を感じると、オオフルマカモメは敵に対して胃の中の食べ物と油を吐きかけるのです。なかなか強烈な技です!
12.ハシボソガラパゴスフィンチ Geospiza difficilis
キュートじゃないですか?けれどもこの小型のフィンチには裏の顔があります。アカアシカツオドリの背中に飛び乗り、皮が破けるまでつつき、血を呑むのが好きなのです。この習性はガラパゴス諸島のダルウィン島とウォルフ島に生息する個体群のみに見られるもので、このゾッとするような食性には何らかの効果があるはずです。だからこそこの個体群は血を呑まない同種の仲間から分離されることが提案され、2016年のIUCNのレッドリストでは別種とされたのでしょう。この新種の名前は?バンパイアガラパゴスフィンチが良いでしょう。
13. Chocolate Boobook Ninox randi (和名なし。アオバズク属の一種)
このリストが1種類のフクロウ類もなしに終わると思いましたか?そうは参りません。世界のアオバズク類34種の中の1種がフィリピンの固有種で準絶滅危惧種のChocolate Boobookです。他のフクロウ類と同様に、本種も昆虫、小型哺乳類、爬虫類を食べます。また主として夜行性です。しかし、他のフクロウ類にこのような格好の良い名前の種がいるでしょうか?そうは思いません。
報告者: Alex Dale & Irene Lorenzo