気候変動適応:ドーハからのニュース

カタールのドーハで行われているCOP-18での話し合いは、
世界中で共通の、気候変動への適応の必要性を具体化することに近付きつつあります。
写真提供:Neil Palmer (CIAT); flickr

カタールのドーハで開催されている国連気候変動枠組み条約COP-18での話し合いが進むに伴い、たとえ気候変動を緩和するための最善策が具体化しても(現状ではこれらの約束は必要とされるレベルには遥かに及ばない)世界は気候変動に適応しなければならないということが益々明らかになりつつあります。

ドーハでの交渉でのバードライフにとって二つの重要分野は、適応活動を導き、これに取り組む国別適応計画を統合的方法で開発すること、及び、適応だけでは避けることが出来ない開発途上国における気候変動の影響によるダメージと永久的な損失です。

ハイレベルでの話し合いのために各国の大臣がドーハに到着し始めたので、ここで、これら二つの分野での交渉の現状をお伝えしたいと思います。

国別適応計画(NAPs):
中長期的な適応への必要に対処し、政府間での適応行動を統合することを目指して、後発開発途上国および他の途上国をこのプロセスで支援するという決定が現在討議されています。適応計画に関するバードライフの関心は、多くのパートナー団体が国別適応計画に関与していることに由来しています。同計画は湿地の洪水規制や森林の流失管理など、適応サービスが提供する利益をもたらすために生態系が適応することを確実にするためのものです。

気候変動枠組み条約の下で資金を運用する事業体である地球環境ファシリティへの助言が合意されました。後発開発途上国は熱心に取り組み、他の途上国にも明確な意欲があり、NAPプロセスをどのように実行するかに関する技術的なガイドラインも公表されています。適応を進める国への支援を遅らせることに言い訳は通用しません。現在の世界経済問題にもかかわらず、財源はあるということを示唆する証拠がたくさんあるのです。

損失とダメージ:
炭素排出を削減する熱意と行動が限定的であり、開発途上国が適応するための支援がまだ完全には行われていないため、気候変動を進行させることに関して責任がない国々が苦しんでおり、気候変動により進む極端な事象や緩やかに進行する事象(生物多様性の喪失など)による資源の損失とダメージにそれらの国は益々苦しむでしょう。先週末、夜に掛かってまで行われた長時間の交渉にもかかわらず、この問題を条約でどのように取り扱うべきかということがまだ決まっていません。損失とダメージに対しては政治的裁量が与えられるべきです。直ちに開始するべき今後の活動を決定しなければならず、この活動を前に進めるための取り決めは今後数日内に合意されねばなりません。

バードライフは今回の交渉の最終週の間にもこれらの問題について各国の政府にアドバイスを与え続け、政府に対して決定したことに対する責任を求めます。

 

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