生態系サービスをより良い政策決定に利用しよう

ネパールが生態系サービスを評価するための新しい実用的な‘ツールキット’をテスト
写真提供:BCN

インドのハイデラバードで開催中のCBD(生物多様性条約)COP-11で、クリシュナ・チャンドラ・ポウデル博士(ネパールの森林・土壌保護省長官)が‘ネパールのIBAで生物多様性を保全し、生態系サービスを供給しよう’というタイトルのレポートを発表しました。

この種のものとしては初めてのこの報告書は、ネパール国内27箇所のIBA(重要生息環境)における生態系サービスを評価するために、新しい実用的なツールキットを試したネパール鳥類保護協会(BCN)によって行われたダーウィン・イニシアティブの3年間の研究結果を示したものです。それは政策決定者が自然の価値を理解し、人間活動の影響への関心を高め、最終的には生物多様性が保全され、生態系サービスからの利益がより良く実現し、より公平に分配されるようにすることを助けるようにデザインされています。

「ネパール政府は生態系サービスが提供する経済、健康および社会的利益、特に毎日の生活を生態系サービスに依存している貧しいコミュニティの利益について以前から認識していました。しかし、私たちが生物多様性を失いつつあり、生態系の管理にもっと統合的なアプローチが必要であることは明らかです。この報告書はどのようにしてこの問題に取り組むかということについて私たちの理解を改善する重要なマイルストーンです。」とポウデル博士はこの報告書が発表されたサイド・イベントで述べました。

示されたデータは既に始まっているプロセス、‘ネパール国家生物多様性戦略行動計画(NBSAP)’の改正に貢献できるでしょう。CBD会議においてバードライフの代表団は締約国に対して、CBDの新2011~2020戦略計画に沿ってNBSAPを更新し実行することの重要性を認識し、2020年愛知ターゲットに対する進展度合いを測定するための国別指標を開発するように強く求めています。

「IBAでの生態系サービスの提供度合いを評価することは種を超えた保護活動の利益を証明する助けになります。」とBCNの上級保護オフィサーのIshana Thapaは言いました。

「私たちはIBAのネットワークを効率的に管理することにより、地元の暮らしにとって不可欠な生態系サービスを守ることも出来ると信じています。最近の研究で、私たちは生態系サービスに焦点を置いている愛知ターゲット14番に対する進展度をモニターする助けとなる基準値を確立しました。」と彼女は付言しました。

BCNは政府と共同でこの報告書に提案されている提言に基づいて活動する計画です。現在のチャレンジ事項はこれらを主要な政策部門に統合することで、それによりネパールの多様な生態系が、たとえば、保護地域システムの管理、ツーリズム産業の拡大、気候変動への適応計画などを考える際に考慮されるようになります。

報告者:BCN

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