ルソン島シエラマドレ地域でフィリピンワシの生息を36年ぶりに確認
バードライフ東京では、フィリピンにおけるパートナー団体であるハリボン協会とともに、2013年1月から、ルソン島シエラマドレ地域において、絶滅危惧種「フィリピンワシ」の保護と環境啓発活動のプロジェクトを実施しています。フィリピンワシは、世界で250~750羽程度しかいない絶滅危惧種で、近年ではミンダナオ島を中心に分布しており、ルソン島での確認事例は極めて少ない状況となっています。 このプロジェクトは、ルソン島での生息を確認し、その生息地を保全するため、調査活動や啓発活動を行ってきましたが、2014年3月に、シエラマドレ南部ミンガン山において、1つがいと1羽の若鳥からなる1家族の生息を確認することができました。同地域での生息確認は、1978年以来、実に36年ぶりとなります。 発見後、ミンガン山では、3か月にわたる生態調査が実施され、哺乳類層も豊富で、フィリピンネズミ(Apomys menganensis)などの固有種も多く生息していることがわかってきました。
2014年6月4日~10日は、第16回フィリピンワシ週間となっており、発見地であるガバルドンでは、今回の発見が大きく取り上げられました。ハリボン協会でも、フィリピンワシ週間および、6月12日のフィリピン国独立記念日に合わせ、地元の小学校や独立記念日のイベントにおいて、今回の発見の他、フィリピンワシの現状や保護の重要性について普及啓発を行いました。 今後もパートナー団体と協力して、同地域のフィリピンワシを絶滅から守る活動を展開していきます。
このプロジェクトは、トヨタ自動車株式会社の「トヨタ環境活動助成プログラム」の助成を受けて活動しています。