鳥を脅かす意外な脅威トップ5

© Mihalec

鳥類は、8種に1種が絶滅の危機にあります。では鳥の主な減少要因は何でしょうか?それはあなたが考えているものとは違うかも知れません。今回は、鳥類が直面する5大脅威と、その対策についてご紹介します。

何が鳥に危害を与えているかを知るのは簡単な場合もあります。特にそれが裏庭で起きているのであれば尚更です。鳥を咥えたネコや、道路脇に残された無残な羽毛の塊などです。しかし、本当に大きな脅威はあまり目につきにくく、直接的でもありません。

だからと言って緊急性が低いということにはなりません。バードライフの最新の報告書「State of the World’s Birds 2018」では、鳥の8種に1種が絶滅危機にあり、世界の約1万種のうち40%が減少していることが示されています。心配なのはニシツノメドリシロフクロウコキジバトなどのよく見られるはずの種が含まれていることです。State of the World’s Birds 2018の編集長Tris Allinsonはその原因を「相変わらず人間が起こしている」と述べています。けれどもそれは同時に、私たちが努力を払うことができるということでもあるのです。

 

1.工業型農業

殺虫剤がミヤマシトドの毒に
写真提供: © Tim Lenz

問題点: 陸地の3分の1以上が農業に使われています。農地はのどかで自然の光景と思われることがよくあります。しかし、農業の拡大と集約化が世界の絶滅危惧種のうち74%もの種に影響を及ぼしているのです。生息地そのものを破壊するだけでなく、殺虫剤が鳥にとっても有害な場合があるのです。米国の最近の研究によると、渡り鳥であるミヤマシトドがネオニコチノイドという農薬に晒され、体重と体脂肪の4分の1を失っていることが分かりました。

解決策: 幸いなことに、良好な生計を維持しつつ持続可能で自然と両立できる方法で農業を行うことは可能なことなのです。例えばバードライフ・インターナショナルのカンボジア・プログラムでは、IBIS riceと共同の活動を実施しています。IBIS rice(トキ米の意)は、地元の農家が野生生物に優しい有機農法によるジャスミン・ライスの栽培を支援しています。殺虫剤や除草剤を使わず、狩猟や樹木伐採を控える見返りに、農家は収穫物をプレミア価格で販売できるのです。

 

2.森林伐採

ポーランド最後の原生林の伐採が違法に
写真提供: © Oboz Dla Puszczy

問題点: 鳥類の種のうちおよそ3分の2が森林に生息していることを考えれば、森林伐採は鳥にとって大問題です、これらの種の多くは森の外では生きてゆくことができないばかりか、断片化した小さな森と森の間を行き来することもできません。森林伐採は木材、紙、その他の産物、バイオ燃料などの世界的な需要により進行しています。

解決策: バードライフはこの傾向を逆転させるために尽力しており、2050年までに1兆本の木を植え、守り、再生するという 「1兆本の木パートナーシップ」の一員です。また、携帯電話アプリを利用して地元住民が自分たちの熱帯雨林をモニターして管理するアジア・太平洋森林管理プロジェクトもコーディネートしています。

 

3.外来種

カヤンゲル環礁のマリアナツカツクリはネズミ駆除により回復傾向に
写真提供: © Island Conservation

問題点: 外来種について聞いたことがある人は大勢いますが、どれだけ鳥に有害なのか知っている人はほとんどいません。過去半世紀にわたり、鳥の絶滅原因の70%以上がネズミなどの外来種によるものでした。離島の鳥は天敵のいない環境で進化してきたために、特に脆弱なのです。

解決策: バードライフは、在来の鳥が外来種により深刻な危機にさらされている88の島を特定しました。もしこれらの島で外来種駆除が成功すれば、およそ55種の絶滅危惧種を守ることができます。私たちはラパ島のラパヒメアオバトカヤンゲル環礁のマリアナツカツクリなどの種のために既に活動を行っています。

 

4.狩猟と罠

オナガサイチョウはカスク目的の狩猟で絶滅の危機に
写真提供: © Bjorn Olesen

問題点: 鳥の密猟は短時間のうちに個体数を激減させてしまいます。最も痛ましい例の一つがオナガサイチョウです。ハンターが「赤い象牙」と珍重されるカスクを狙うようになったことで、この素晴らしい鳥は2015年に準絶滅危惧種から絶滅危惧IA類に引き上げられました。

解決策: この危機を脱するためには、法律の修正や強化が重要です。現在、野生生物の違法取引慣習を規制するCITES(ワシントン条約)により155種の鳥が保護されています。バードライフのパートナー団体も各国で密猟防止の活動を行っています。イタリアでは鳥類保護協会(Protezione Uccelli)がドローンを使って密猟を監視しています。ブラジルではコスミレコンゴウインコの捕獲防止のために覆面捜査員が取引ネットワークに潜入しています。

 

5.気候変動

気候変動への適応に苦しんでいるマダラヒタキ
写真提供: © Pauline E

問題点: これまでのところ、世界的な調査が行われた種の約4分の1が気候変動から負の影響を受けています。既に繁殖や渡りのサイクルが変わりはじめています。最近の調査によると、英国の春が以前より暖かくなったことで、毛虫のピーク時期が早まっていることが分かりました。このことは、多くの鳥の雛が巣立つ頃には十分な量の毛虫が得られなくなることを意味します。

解決策: バードライフのIBA(重要自然環境)では、鳥だけでなく生物多様性に不可欠な地域が特定されています。これらのエリアの多くが、森林やその他の植生が大気中の余分な炭素を吸収し気候変動の影響を和らげる炭素吸収源となっています。

報告者: Margaret Sessa-Hawkins

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