極めて稀な“種 X”がブラジルで75年ぶりに発見された

絶滅危惧IA類のアオヒメバトの初めて撮影された写真
写真提供: © Rafael Bessa

この極めて稀な鳥の青い目は、ほぼ一世紀に亘り人の目に触れることはありませんでした。ブラジルでの自然保護活動の中でも最も特異な話の一つとして、研究者のグループがアオヒメバトの再発見を報告しました。1941年の報告を最後に本種は絶滅したと考えられていたのです。けれども、アオヒメバトがブラジルのミナスジェライス州のある場所で見つかったのです。ただし、研究者が確認できたのは12個体だけでした。この非常に稀な鳥を保護するためには、生息地を保全することが鍵となるでしょう。

先週末の‘ブラジル・バードウォッチング・フェスティバル’で鳥類学者Rafael Bessaがアオヒメバトの再発見を明らかにした時の聴衆の歓声を想像してみてください。‘種 X’と題され、非常に期待されたこの発表では、歴史上初めてこの鳥の声が流されたのです。数体の古い博物館の剥製標本と、最近のいくつかの報告が知られてはいたものの、Bessaがアオヒメバトを蘇らせたのです。

「彼がビデオを流した時、観衆の間に大興奮が生じ、拍手が鳴り止みませんでした。皆が心から喜び、正に感動でした。」とSAVE Brasil(ブラジルのバードライフ・パートナー)のPedro Develeyは言いました。

過去数カ月間、SAVE Brasil、熱帯林・トラスト、ブタンタン野鳥観測所の支援を受けた研究者グループが、アオヒメバトの再発見を科学的に報告するため、また、同時にこの絶滅危惧ⅠA類の鳥の生存を長期的に確保するための保護計画を立てるために、秘密裏に活動を行っていました。

再発見を説明してBessaはEstadão誌に次のように言いました:

「その場所に戻り、声をマイクロフォンで録音することが出来ました。音を再生すると、その鳥は花の咲いた藪に降り立ち、私の方に近寄って来ました。これを写真に撮り、映像を丁寧に見たところ、私は何か特別なものを記録したと知ったのです。足が震え始めました。」

僅か12羽の生存が確認されたアオヒメバト 写真提供: © Rafael Bessa

僅か12羽の生存が確認されたアオヒメバト
写真提供: © Rafael Bessa

アオヒメバトはブラジルだけに生息し、ブラジルのセラドと呼ばれるサバンナ状の生息地が破壊されたことにより絶滅が危惧されています。再発見の喜びはすぐに、この12羽の鳥を大至急保護する活動を始めるべきとの考えに変わりました。

「私たちはこの鳥の状況を懸念しています。今、保護計画を立てるために様々な方面で活動しています。主たる活動はアオヒメバトが発見された場所を確実に保護区にすることで、本種だけでなく同じ場所に生息している他の多くの危惧種にも益するのです。」とRafael Bessaは説明しました。

コバルトブルーの目と、全身の赤茶色の羽毛に対して際立つ翼上のダークブルーの斑紋を持つこの目立つ鳥がこれほど長い間気付かれなかったことが信じられません。けれども、この地方の急速な生息地喪失はもっと多くの種がそれと分からずに絶滅に向かっている可能性を示唆しています。

「ブラジルの生物多様性に関する知見を増やすことが保全の第一歩です。そうすることにより、私たちは私たち自身を含めすべての種の生活と健康の質の向上に貢献するのです。」とブタンタン研究所のLuciano Limaは言いました。

最初にこの鳥を見つけた2015年7月のすぐ後に、Rafael Bessaはブンタンタン研究所のLimaにコンタクトを取りました。同研究所とSAVE Brasil の支援を得て、彼らはアオヒメバトに関する調査を始めました。調査グループが編成され、そこには鳥類学者Wagner Nogueiraおよびルイジアナ州立大学のMarco RegoとGlaucia Del Rioが加わりました。

本種やその声が確認された正確な場所は、保護計画がまとまり、そこで提案された方法が実施されるまでは、発表されないことになっています。

アオヒメバトの生息地と声は本種を守るために秘密にされています。 写真提供: © Rafael Bessa

アオヒメバトの生息地と声は本種を守るために秘密にされています。
写真提供: © Rafael Bessa

保護計画の一環として、研究者は本種の生態、特に行動、繁殖生態および採餌に関する研究を進めています。彼らはさらに他の個体群の発見を目指して、今回の再発見の場所と似た地理的、環境的な特徴を持つ場所でも調査しています。探索地域は人工衛星画像と生態学的ニッチ・モデリング(種の生息環境の特性に基づき、その種に合っている可能性の高い地域を予測する数学的モデルを用いる技術)により決定します。

「これまでに私たちは3つの州内の多くの地域を訪れましたが、本種はミナスジェライア州内の近接した2つの場所で見つかっただけでした。このことは、本種の存続を確保するためには緊急な活動が必要であることを強く印象づけるものです。」と鳥類学者Wagner Nogueiraは警告しました。

アオヒメバトの生息地は、失われるリスクがこの鳥自身と同様に極めて高い特別な生息環境であるように思われます。この鳥の羽毛の赤橙色を、この地域で持ち上がっている新規インフラ建設プロジェクトに対する「警告色」にしましょう。小規模のプロジェクトであっても本種を絶滅させる可能性があるのです。

再び生存が公表された今、SAVE Brasilと研究チームがアオヒメバトの命をこれからも守ることが出来るかどうかは時が知らせてくれるでしょう。

 

報告者: Shaun Hurrell

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