洞察を通してのバードライフの活動

餌を漁る海鳥の届かない所まで釣り針が沈むまで針り返しを入れておく‘針容れ’

バードライフ・パートナーは、自然保護の課題に対する革新的な解決方法を提供するために、科学的な保護活動と、地域レベルでの人々の利益と生物多様性を調和させる実地経験による他の追随を許さない組み合わせに立脚しています。

今年、私たちは目標を定めた資金投入を行うため10ヶ所の優先地域を特定する研究に貢献しました。‘生物多様性と食の安全のための地球規模での気候変動適応の優先順位’は気候変動の影響に対する適応が小規模農家と地球上の生命を支える自然の生態系の双方に最大の利益をもたらす地域を詳細に述べています。

バードライフ・インターナショナルの科学者を始めとするもう一つの重要な研究では、鳥類、哺乳類、両生類の絶滅を防ぐために最重要な保護区を特定し、併せて、生物多様性を保護するに当たっての保護区の効率を改善するための実務的なアドバイスを提供しました。この研究では93%のサイトが既にIBA(鳥を指標とする重要自然環境)に指定されていることを示し、IBAネットワークが鳥以外の野生生物にも重要なサイトとして効率的であることを強調しています。

しかし、公式の保護は機能しているでしょうか?バードライフ・アフリカ・パートナーシップとRSPB(英国のパートナー)の自然保護学者により作成された分析がこれまでで最もしっかりした証拠を提供しました。法的保護が行われているIBAにおける自然の土地被覆の年間喪失率は法的保護されていないIBAでの喪失率の半分以下でした。この研究は、2020年までに保護地域の総面積を現在の13%から17%に増加するというCBD(生物多様性条約)目標に対して勇気を与える貢献です。

世界中で22種のアホウドリ類のうち、17種が絶滅の危惧があると考えられており、その主たる原因は、特にこの成長の遅い海鳥を不運にも引き寄せてしまう餌をつけた釣り針を使う延縄漁船などの漁業による影響です。バードライフの‘世界海鳥マリーン・プログラム’では、英国のエンジニアリング企業Fishtek社と延縄漁での海鳥の死を減らすための革新的な方法を開発するために共同で研究してきました。その結果である‘針容れ’は、餌を探す海鳥の届かない所まで針り返しを収容して針を沈めます。バードライフの‘アホウドリ・タスクフォース’は今南アフリカとブラジルでこの‘針容れ’の実験を手伝っています。これまでの結果では、‘針容れ’は漁獲量に影響を与えないことを示し、漁師もこれを使うのを好んでいます。

バードライフ・パートナーシップは絶滅を防ぐために取り組んでおり、特に絶滅危惧ⅠA類に特別に焦点を当てています。バードライフ世界会議で発表された‘世界の鳥の現状’報告書はバードライフが‘絶滅阻止プログラム(PEP)’により世界で197種の絶滅危惧ⅠA類の種の60%に対して行動を起こしていることを明らかにしています。

PEPを通してバードライフは正しい保護活動の解決策を考案し実行することが最も出来る人々‘種の保護者’と共に活動してきました。2013年には、絶滅危惧ⅠA類ホオアカトキの最大の野生個体群が記録上2番目となる148羽の巣立ちを数えた上々の繁殖シーズンを迎えました。このモロッコの個体群の管理と保護は、モロッコ政府当局およびGREPOM(モロッコのパートナー)と共にSEO/BirdLife(スペインのパートナー)の指導を受け、バードライフの‘絶滅阻止プログラム’を通した‘種の保護者’であるモナコのアルバート2世王子の資金支援で行われています。

もう一つの絶滅危惧ⅠA類のカタジロトキの記録的な数がカンボジアでのバードライフと地元NGOによる調査で観察されました。この共同カウントが開始された2009年以後、本種の観察数は毎年増加していますが、その理由の一部は雛の生存を高める巣の保護などの保護活動の成果と、一部は調査活動の増加や塒の位置に関する知識の増加によるものです。

今年までは絶滅危惧ⅠA類のヒガシシナアジサシの繁殖コロニーは2ヵ所しか知られていませんでした。革新的なアジサシ・コロニー再建プロジェクトにより、中国のJiushan諸島の小島の一つに別の繁殖地を再建することに成功したと考えられます。幾つかの中国当局、バードライフ、HKBWS(香港のパートナー)のメンバーなどによる再建チームはヒガシシナアジサシが島に戻って来る希望が持てるまでには数年を要すると考えていました。ところが、9月末にかなり大きな新しいオオアジサシのコロニーで数百羽のヒナが生まれましたが、その中に、少なくとも1羽のヒガシシナアジサシのヒナも巣立ちに成功していたのです。

絶滅危惧ⅠA類のタヒチヒタキも、1998年にポリネシア鳥類学会(SOP-Manu;フランス領ポリネシアのパートナー)が集中的な営巣地保護プログラムを始めて以来最善の繁殖シーズンを送りました。これまでの4倍増にあたる10羽のヒナが巣立ちし、7カ所の新しいテリトリーが作られました。

タヒチヒタキの主な脅威はクマネズミによる巣での捕食です。ネズミや他の外来種が多くの小島の固有種の減少と他の多くの生物多様性の喪失の原因です。5つの太平洋の国と地域の30以上の島からネズミや他の外来捕食動物の駆除に成功したバードライフ・太平洋パートナーシップでは、自然環境と地域の生活手段に対する外来種の影響を減らすために、コミュニティで管理する駆除、コントロール、バイオセキュリティを開発することにより、経験を共有しています。

北アフリカや中東での持続可能な電力発電能力の開発は人々の生活を改善するでしょう。しかし、それは同時にこの地域を渡る多くの猛禽類、ツル類、コウノトリ類やその他の大型飛翔鳥を危険に晒す可能性があります。バードライフでは‘渡り性飛翔鳥プロジェクト(MSB)’により2013年にその影響を最小限にすべく政府や産業界と共に活動を行っています。直近では、エジプト環境局(EEAA)と新・再生可能エネルギー当局(NREA)がエジプトのエネルギー部門内での渡り性飛翔鳥と他の生物多様性の保護に協力、促進するMSBプロジェクトとの間で覚書に署名しました。

MSBプロジェクトは2013年にこの地域の渡り性猛禽類への長年に亘る脅威の一つに取り組むようにもう一つの政府に働きかけています。MSBワークショップに従い、スーダン政府は1950年代に建設されて以後数百羽あるいは恐らく数千羽のエジプトハゲワシを殺したものと推定される有名なスーダン港の‘キラー電線’の取り換えに着手しました。

‘渡り鳥にとってのブラックスポット’と色々な機会に言われている国からの良いニュースもあります。バードライフ・マルタはマルタ:ゴゾ海峡が2種の世界的、1種の地域的危惧種にとって国際的に重要であることを認識して、マルタで初めてのマリーンIBAとして確認されたことを発表しました。マルタには既に13の陸上の特別保護区があり、そのすべてがIBAとされています。バードライフは、マルタがゴゾ海峡を最初のマリーン特別保護区に指定することによりこの行動を続けることを望んでいます。

以上は2013年度のバードライフ・パートナーシップの活動のごく一部です。私たちは我々の自然保護の科学への集中が今日の最も火急な保護問題と取り組むための実際的な解決策を提供することと考えています。

報告者:ニック・ラングレィ

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