インドネシアの持続可能なキャンドルナッツ農園

インドネシア・フローレス島 写真提供:© Toni Wöhrl

インドネシア・フローレス島のンベリリング森林は、コモドオオトカゲなど豊かな野生生物の生息地です。私たちの小規模金融、コミュニティによる所有、アグロフォレストリー(樹木を植栽し、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業)への‘mbelievable(信じられないような)’な投資は、この唯一無二の景観をずっと守り続けるでしょう。

このプロジェクトはForest Landscape Sustainability Accelerator イニシアティブ(森林景観持続可能性加速イニシアティブ)の一環です。

インドネシアのフローレス島は、悪名高いコモドオオトカゲを見ることができるコモド国立公園以外の唯一の場所として、また花でも有名です(島の名前も花から来ています)。この島には、その実が自然保護活動家やコミュニティ団体の興味を引き付けている花木、キャンドルナッツがあります。その白く巨大な実は、灯のための燃料油として知られていますが、同時に東南アジア料理の素材としても一般的で、貴重な作物になっています。

ンベリリングは、西マンガライ県におよそ94,000ヘクタールの広さで広がっています。171種の鳥類を含む豊かな野生生物が生息し、また重要な水域であり、農業、村や町に綺麗な水を提供しています。その豊かな農業景観は27村の約3万人の人々の生計を支え、彼らはアグロフォレストリー、米の生産、畜産で暮らしています。アグロフォレストリーにより作られる作物には、キャンドルナッツ、コーヒー、ココア、チョウジノキおよびカシューナッツなどがあります。

持続可能なアグロフォレストリーは、地元の人々が生活費を稼ぐために原生林を伐採する必要がない素晴らしい方法です。育てた作物で十分な収入を得られるならば、彼らは家族を養うために狩猟や森林伐採に頼る必要がありません。更に、木と木の間に散在するように異なる種類の穀物を育てれば、健康な土壌を保ち、動物、特に鳥類に生息地を提供できます。この技術はより大きな目的にも寄与します。木の根は、土壌を固定し、それが山崩れなどの自然災害を防ぐのです。このような災害は気候変動により益々多くなって来ています。

このことを考慮し、2007年にブルーン・インドネシア(同国のパートナー)が島の生物多様性や森林に与える有害な活動を止めるためのVRMA(村落資源管理協定)を推進しました。27のコミュニティと共に、森林保護、山火事防止、水資源管理に関する協定をまとめました。その結果は定期的に確認されています。この協定の役割は、同協定が村の資源の生産的で持続可能な管理のための指針を含むことから、後に村全体の計画や開発のより幅の広いガイドラインへと発展しました。

自然保護以外にもブルーン・インドネシアは、自然環境を害することなく地元住民の収入を改善する経済活動を模索する地元コミュニティを支援しています。2010年には、このエリアには僅か10の小規模ビジネスがあっただけでしたが、現在は100以上になっており、その中には家畜と魚の飼育、樹木の育苗、コーヒーの加工、パンの製造とその売り場などが含まれます。22の小口融資が小規模ビジネスを支え、オーナーに事業を開始するために必要な後押しをしています。キャンドルナッツ協同組合が設立され、生産物が市場に供給されています。

まだ数多くの取り組むべき課題があり、ここにバードライフのFLSA(森林景観持続可能性加速イニシアティブ)が介入する余地があります。ここ数年ブルーン・インドネシアはビジネス機会を財政的に支援し、生息地を保全するための支援金不足に悩んでいます。自然保護団体もさらに大きな目的達成のため、スタッフの人件費やトレーニングや設備投資のための資金を必要としています。

このFLSAプログラムを通してブルーン・インドネシアは、今まで試したことのない機会を探しています。私たちは既にVRMA(村落資源管理協定)を地元の計画当局の政策に組み入れており、彼らもより多くの農家の参加が可能になるようにキャンドルナッツ組合の規模拡大を求めています。ワクワクすることに、私たちはエコツーリズムや生態系サービスに対する報酬など、農家や土地の所有者に自然を守る動機付けなど、他の道も模索しています。

報告者:Adi Widyanto

 

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