秋になりました。EU自然指令を解放せよ!

 

夏休みが終わり‘学校に戻る’季節になりました。欧州委員会がすぐに取り組むべき最初の課題は、野鳥および生息地指令の‘フィットネスチェック’に対する結論を出すことです。この2年間におよぶ長い作業の結果、専門家や一般人、地域、EU加盟国および欧州議会のほぼ全員が、EU自然法に対する支援を表明してきました。欧州委員会の総合的な評価では次のような結論が出されました:

「一連の証拠は、自然指令は目的に適ったものであり、明らかにEUの付加価値を示すものである。自然指令は自然保護と持続可能な開発全般に多くの重要な利益をもたらした。自然保護の目的を尊重しつつ利害関係者の異なる利益に対処する際に、バランスがとれた実行可能な枠組みとなっている。一部の利害関係者に対する影響が他よりも大きいことはあるものの、全体としては実施に必要な費用は適切であり、得られる利益の方が大きい。」

この評価はオランダの議長国の下で6月に開催された上級レベルの会議に間に合うように結論が出される予定でした。ところが、‘自然の敵’による裏工作によってこの作業が中断され、会議が最終段階で中止されるという見苦しいことになってしまいました。実際に、結論を公開するにはWWF(世界自然保護基金)に所属する私たちの協力者がどうにか文書を入手しなければなりませんでした。

厳しい批判を受けて欧州委員会第一副委員長のTimmermansは欧州議会に対して秋には生物多様性保全の将来についての包括的な報告をする旨伝えました。彼は‘フィットネスチェック’プロセスの結論を厳粛に受け止めることを約束しました。日が短くなり、渡り鳥がアフリカに向かう今こそ約束を実行すべき時です。

もし欧州委員会が生物多様性の危機に取り組むとした自身の誓約への信頼を保持したいなら、委員会は今こそ野鳥指令と生息地指令は目的に適ったものであるとの結論を出さねばなりません。また、ずさんな法律の施行や、保護資金の不足、EU共通農業政策によって現在進行している惨状などの、フィットネスチェックにより明らかになった多くの失敗に対処できるような、信頼のおけるより良い仕組みが必要です。

私たちは、第一副委員長Timmermansがその言を守ることを信じています。そして、近々公表される生物多様性に関する報告を現場での活動につなげるために、彼およびVellaコミッショナーと協力して建設的な運動を行うことを期待しています。

 

報告者: Ariel Brunner

 

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