欧州各国の環境大臣が自然法について語る
6月20日にEU環境理事会(28か国の全EU加盟国の環境担当大臣が参加)がルクセンブルクで開催されました。バードライフ・ヨーロッパもこれに参加し、欧州の自然を守るための法律である野鳥指令と生息地指令に対する各国大臣からの支持を引き続き求めました。ドイツ、フランス、ルクセンブルク、エストニア、ギリシャなど多数の重要閣僚が、これらの自然法が目的にかなったものとして直ちに公式に認識されることを求める横断幕の前でバードライフに賛同しました。
その会議の中でも、ルクセンブルグとドイツの大臣は二つの指令に関する‘フィットネスチェック’を欧州委員会が公表しないことに失望の意を表明しました。彼らは欧州委員会に対して出来る限り速やかに報告を公表することを求めました。これに対してヴェラ・コミッショナーは、自然指令は生物多様性と自然を守るための鍵であると回答し、全てのEU加盟国が両指令の実施強化が重要であることに同意しました。彼は又、委員会は現在この問題に対処しており、秋には‘フィットネスチェック’の報告を公表する計画であると述べました。彼は、先週欧州委員会の第一副委員長Timmermanが欧州議会の環境理事会の前で強く述べた「壊れていない物は直すな」という主張が両指令の運用における基本原則である、と繰り返しました。彼らが自ら行った研究では両指令は「壊れていないので直す必要がない」ということは明らかです。
欧州委員会は両指令の‘フィットネスチェック’の結果を、オランダがEU議長国を務める会議の前に公表する予定でした。結論は両指令のより良い実施のための検討材料となるはずでした。けれども委員会が結果を公表しなかったため、オランダは会議をキャンセルしました。
6月15日に欧州委員会委員長ユンケルのチームが行った‘フィットネスチェック’の分析が漏えいしました。報告では両指令は目的に叶っており、完全に実施されるべきというものでした。その同日に、委員会の副委員長Frans Timmermansは委員会報告の公開と両指令の実施を求める環境理事会の欧州議会議員から厳しく追及されました。このことは前週のユンケル委員長にこれ以上の引き延ばしを止め、両指令の完全実施を求める議会員の要求に賛同する環境大臣を勇気づけました。
2015年12月に環境理事会は全会一致でこれらの法律は自然保護のために不可欠であると合意し、欧州委員会に実施の強化を求めました。現在のところ委員会はこれに応えていないだけでなく、法律の完全実施を求める欧州議会や、中小企業(ヨーロッパのビジネスの99%を占める)、市民活動家、そして52万人を超える市民の要求にも応えていません。
報告者: Zyenep Karasin
原文はこちら