Alexander Rukhaia 氏が猛禽類の保護活動により Whitley賞を受賞

英国王室のアン王女から賞を受けるAlexander Rukhaia氏
写真提供: Whitley Fund for Nature

ジョージアのバトゥミ(地名)のボトルネックと渡り鳥にとってのその重要性については、たくさんのストーリーがあります。ですから、バトゥミの保全が評価され、継続するのは喜ばしいことです。これはWhitley自然保護基金とジョージアの自然保護協会(SABUKO)の取り組みによるものです。

数週間前、SABUKOの創立者で理事のAlexander Rukhaia氏がロンドンの王立地理学会においてプロジェクト資金として35,000英ポンドのWhitley賞をアン王女から贈られました。資金が不足している一方で生物多様性が豊かな国の自然保護活動家に贈られるこの賞は、ジョージアのアジャリア地方の渡りのルート上で殺害される猛禽類の数を減少させた彼の功績を称えるもので、ジョージア人として初めてこの賞を受賞しました。

デービッド・アッテンボロー卿を中心にポーズを取る賞の受賞者たち 写真提供: Whitley Fund for Nature

デービッド・アッテンボロー卿を中心にポーズを取る賞の受賞者たち
写真提供: Whitley Fund for Nature

‘ボトルネック’という言葉は望ましくない交通混雑のイメージを思い起こさせますが、バトゥミでの‘交通混雑’は必要なものなのです。

猛禽類は大きく分けて二つのタイプが居ます。一つはほぼ常に翼を羽ばたいて、陸や水の上を飛ぶことが出来るタイプ(ハヤブサやハイタカなど小型で活動的飛翔をする)と、もう一方は滑空とエネルギーを節約するために上昇気流を利用するタイプ(ワシ類やノスリなど大型で翼の幅が広い)です。日中は水面では上昇気流が生じないため、上昇気流利用型は主に陸の上を飛びます。彼らは高い山のある地域も避けねばなりません。その結果、大群が同じルート上を飛ぶことになり、こうした場所が‘ボトルネック’となります。

バトゥミは渡り性猛禽類の世界最大のボトルネックです。35種、百万羽以上の猛禽類がこの地域を通過します。ここはジョージアのアジャリア地方の黒海沿岸の山地に沿っており、IBA(重要生息環境)でもあり、バードウォッチャーのホットスポットです。

違法なのですが、猛禽類の銃による狩猟はアジャリアの沿岸の村落で昔から伝統的に広く行われていました。食糧やレジャーとして毎年13,000羽の猛禽類がこの場所で大量に殺されています。狩猟規則の理解不足、それを施行するには不十分な努力、保護活動への無関心によって、伝統としての猛禽類の狩猟を黙認されてきたのです。

政策科学の学位取得者として、Rukhaia氏が渡り鳥が射殺されるのを目の当たりにし、何かをしなければならないと自覚するのには、ジョージアでの渡り鳥カウントのボランティアにたった一度参加するだけで十分でした。彼はSABUKOを設立し、密猟を終わらせるための包括的アプローチを採用しました。「私たちのアプローチは人々にも猛禽類にもウィン-ウィンの状態をもたらすのです。」と彼は言いました。

当局や地元コミュニティと共同で活動を行い、彼は狩猟規則に関する情報を広め、認識を高めるために教育活動を行い、バードウォッチング・ツアーの発展を支援するために地元のキャパシティ・ビルディングを行っています。この地域の失業対策として収入を生み出し、それが、鳥の密猟への取り組みの後押しとなると期待されています。

彼の尽力によって、2010年以降、2つの村では鳥の殺害数が80%も減りました。Whitley基金からの新たな資金により、Rukhaia氏はこのプロジェクトを更に6つの村に広めようとしています。そして狩猟法についての地元の認知度を向上させ、これを施行するように政府を動かすこと、地方、国、国際レベルで関心を高めること、地元コミュニティを保護活動に従事させ、エコツーリズムを開発すること、そして猛禽類のモニタリングを継続してこのプロジェクトの成果を評価することを計画しています。

 

報告者: Brecht Verhelst

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