バードライフが‘ハゲワシ自警団’に変身した年
2015年はハゲワシにとって困難な年でした。私たちの科学的解析により、ヒゲハゲワシやエジプトハゲワシなど旧世界(欧州とアフリカ)のハゲワシの75%が絶滅に向かって滑り落ちていることが明らかになったのです。
しかしながら南アジアに生息するハゲワシの壊滅的な減少(99%)を招く原因となった、ハゲワシ殺しの薬品とも言える獣医薬のジクロフェナクは依然としてイタリアとスペインでは合法的に販売されており、欧州委員会もこの製品の全面禁止を訴える私たちの要求を無視しています。
2月にEU委員会はEUにおける獣医用ジクロフェナクを禁止するという考えを拒否し、単に加盟国に対してミチゲーションの方策を探るよう求めました。それらの対策は5月に示されましたが、その幾つかは全く最低のものでした。例えばスペインではジクロフェナクの壜に、野生動物に捕食されるような動物に処方するべきではないとの一般的な文言が加えられただけでした。スペインは処方箋あるいは食物連鎖の情報や書類を変更することを、複雑になり過ぎると主張して、事実上拒否したのです。
私たちはあらゆる方面で反撃に出ました。欧州ハゲワシ連合(バードライフ、ハゲワシ保護基金、野生生物保護協会および動物福祉国際基金)はEUレベルの上級担当者に面会し、EU加盟国が提出した緩和対策への不同意を伝えました。バードライフは更にCMS(移動性野生動物種の保全に関する条約)と共同して地球規模で適用されるべきハゲワシ類のための複数種行動計画を策定しました。
2015年に私たちのメンバーと支援者は今後の基盤となるような役割を果たしました。私たちはウェブサイトや新しいオンラインの嘆願書(国会議員Catherine Bearderのお蔭です)により一般の支援を集め続けています。またハフィントン・ポスト(米国のインターネット新聞)の共通記事にこの問題を国際的に取り上げて、10月には世界的なハゲワシ・キャンペーンを開始しました。これら全ての活動により2016年はハゲワシにとってより良い年になるものと信じていますが、私たちは警戒を怠るわけにはいきません。#banvetdiclofenacのハッシュタグも活用して、私たちの活動にご協力をお願いします。
報告者: Ivan Ramirez
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