ニシオジロクロオウムが都市のスプロール現象により危機に
数十年もの間、パース周辺ではニシオジロクロオウムの群れが夕方になると塒に向かう光景は、ごく見慣れたものでした。今のうちにこれを楽しんでおきましょう。バードライフ・オーストラリアによる最新の調査によれば、この大型で、尾が白く、黒いオウムは毎年個体数が減ると共に群れのサイズも小さくなっているのです。
「ニシオジロクロオウムは西オーストラリア州にのみ生息します。」とバードライフ・オーストラリアの‘危機にあるオウム・プロジェクト’のコーディネーターTegan Douglaは言いました。
「今年の初めに600人を超える人たちがバードライフ・オーストラリアが主催する恒例の‘大オウム観察会’に参加しました。このイベントはグレーター・パース・ピール地方と北はチャプマン渓谷、内陸部はナロジン、東はエスペランスに及ぶおよそ300か所で行われました。」
「私たちはボランティアたちにオウムが夕方塒に飛ぶときに数を数えるようにお願いしました。毎年調査地の数は増えましたが、記録されたオウムの数は減っていました。」
今年グレーター・パース・ピール地方で記録されたニシオジロクロオウムは少なく見積もって5,518羽で、前年よりも引き続き減少しました。
7か所での‘大オウム観察会’の分析結果、深刻な個体数減少が続いていることが分かりました。群れの規模だけでなく、パース周辺では塒さいとの数も減っていたのです。
「もしこの傾向が続けばパース・ピール沿岸平原のニシオジロクロオウムの個体数は年率およそ15%で減り続けるでしょう。」
記録されたクロオウムのおよそ半数はパース北部のナンガラ・ヤシ農園でのもので、ニシオジロクロオウムの個体群にとってこのサイトの重要性が分かります。
「パースの住宅地は、クロオウムの生息地だった低木林地に拡大を続けています。そのためクロオウムは餌と休息場所を求めてヤシ農園に移りましたが、今度はこれらの農園が更地にされているのです。」
現在進められている‘パース・ピール地方の戦略的評価’では西オーストラリアを象徴するこれらの生物が生き残り、その減少を食い止めるために、塒の場所と餌場の保全に確実につながるように進めなければなりません。
「ニシオジロクロオウムは都市のスプロール現象(都市が拡大すると共に、住宅が無秩序に郊外に広がる現象)の大きな犠牲者です。」とTeganは言い、都市の拡大のために原産の植物を伐採することを止めることで、鳥を守ると共により良い都市のデザインが人々にも恩恵をもたらす、と付け足しました。
報告者: Sean Dooley
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